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フプリーは逃げ切りたい  作者: サンガツワサコ


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予定外婚活

婚約者候補としてお名前をあげていただいた方々は、さすがに年齢が近いこともあって、魔法学校の方が多い。中には上級学校の方に通われている方のお名前もある、けれど「魔力はある」のだそう。フプリーとしては、そこにこだわりはないのだけど。



本来の予定では卒業後に恋愛を楽しむ予定だったけれど、考えてみれば、婚約者の有無や既婚か否かの判別は普通にしていたら分からない。


兄から届いた手紙のリストに載っているお名前は、みなさま婚約者のいない、独身者であることが確かなのだから、物凄い近道をしているのではない?!


ディバレイド王国は一夫一妻制が当たり前で、王族ですら側室を置かない。特に貴族同士の婚姻は互いに婚姻の魔法陣を交換することもあり、死に別れない限りは離縁はない筈だ。余程の事情があれば別居することもあるようだが、婚姻後に他の恋人を作ると言うような事はない…少なくとも、フプリーは聞いたことがない。

だから、と言うのはおかしな話だけれど、恋愛は結婚前にしか楽しめないのだ。

…まぁ、片想いはできるだろうし、お母様のように、推しは出来るかもだけど。


ええと、候補の中に、知ってる人居るかなーと、見てみると。



一つ年上の魔法陣クラスに、トムソン子爵家第二子のダニエル様


この方は先日のお茶会に参加されていた。


2つ上の、ノルズ辺境伯の第二子ヒュードル様は魔法騎士クラス。

こちらは残念ながら存じ上げない。今度、騎士クラスの訓練を見に行ってみよう。


同じく2つ年上の魔石クラスにガレ伯爵の嫡子のメルト様…ん?ガレ伯爵って、アマリオ先生のお家じゃない???しかも嫡子?!

お会いしたことはないけれど、ええ?!


ええと、気を取り直して。


同年で、サンゼット侯爵家の第二子のルーカス様は、国立の上級学校に編入された方の様。

基礎クラスの時に見かけたことがあるのかもしれないけれど、侯爵家の方とは交流がなかったからなぁ。


ジルベル伯爵の第三子のディーン様は3つ年上で、こちらも国立の上級学校に編入されているのだそう。3つ年上ということは、お姉様と同じ歳よね。


『フプリーはまだ14歳だから、今回は学生を選んだけれど、気が合う人が居なければ、また改めて年下や学生ではない者も紹介するよ』


兄からはそんな言葉が添えられていた。

その文末には、ちょっと不穏な脅し文句?



『その場合には、父上にも協力をいただくことになるだろうけれど』


え、お父様が出てきたら、絶対に断れないじゃない!!!


幸いなことに、ここにお名前を上げられた方々は、お兄様とお義兄様がお人柄とお家事情を知り得る限りの情報を集めて持ってきたもので、お相手にこちらが婚約者を探しているということは知らせていないらしい。


上級学校に通われているお二方についてはどうしようもないけれど、魔法学校に在籍している方々を探して観察することは出来そう。


一人だと、ちょっと不安だなぁ。


魔法学校のお三方は皆様上級生だから、余計に。


レベッカに相談してみたら、男子がいた方が安心だというので、ミーレイ様にも事情を話して、リヨール君にご協力頂こうと思う。



…ミーレイ様、どうして喋っちゃうかな。


人物図鑑の編集部が再集結しちゃったよ。



「トムソン子爵家のダニエル様はお茶会でお会いしてるわよね。どんな印象でした?」


ミーレイ様、本当に楽しそう。


「もしかして、覚えてないって奴?」


ダリウス殿下のニヤニヤがまた始まる。


「いえ!覚えてます!!!」


覚えてるから、似顔絵描いてないもん!


顔と、名前は!


「…あの日は初めて会う方だらけだったから、仕方ない」


フォーリア様、優しい!


「人となりは一度挨拶しただけじゃ分からないでしょ。周りに聞いたり、本人ともっと話したりしないとね」


リヨール君も優しい…


「魔法陣コースなら、縦割り研究で会うんじゃないかな」


フォーリア様とリヨール君は私と同じ魔法陣コースだ。


専門コースに分かれた後は学年を超えて同じ研究テーマを追うプログラムが増える。うまくすればダニエル様と同じ班になれるかも?!

そうでなくとも、近づくチャンスはありそうだ。


「お茶会に参加いただいてるなら、お茶会でお話しするチャンスもありそうよね。でも、それで言えばこちらの…ガレ伯爵家のメルト様や魔法騎士クラスのヒュードル様もお声がけ出来ますし、国立のお二方だって、ツテを探しますわよ」


お茶会?!!!


ミーレイ様が女神に見えてきた!


お茶会!まさに社交の場!!


「茶会でなんか、皆んな猫被るじゃねぇか。本性がみえねぇぜ?」


…猫。確かによそゆきの顔になるかも?


「知り合うきっかけさえあれば、あとで国立を覗きに行く口実を作れるんじゃない?ほら、殿下もいるし?」


リヨール君、ダリウス殿下を利用することに微塵も疑問を抱いていない…


「シュドリウス殿下に視察名目で付き合ってもらうのでも良いわね」


ええええ!?


ミーレイ様、王太子殿下はお忙しい筈です!!!駄目です!!!!


「でもまぁ、お茶会開くにしても、春先になると思いますし、冬のお休みの前にこちらのお三方を見に行きません?」




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