婚約5年目
「あはは!やっぱりフプリーは最高だよ!」
ダニエル先輩が手放しで喜んでくれる。
私も嬉しくなって、ハイタッチをしていたら、ポリアンナ様が呆れたような顔をして、おっしゃる。
「あんたたち…それだけ仲良いなら、いっそのコト結婚しちゃったら良かったのに。あ、殿下に怒られちゃうか」
フプリーは少しドキッとして、ダニエル先輩と顔を見合わせる。
「いやぁ、実はちょっと考えたこともあったんですよ、昔」
え?
先輩が昔話を始める。
「フプリーが初めて会った時、僕の魔力を褒めてくれてね。その後もずっと一緒に研究していて、だいぶ、良いなぁって思ってた」
えええええ?!
聞いたことがなかった!
「何それ、告白しなかったの?」
ポリアンナ様は机の椅子を引き寄せて座り、聞く態勢を整えている。
「だって、ある日突然フプリーの魔力に王家の魔力が混じったんですもん」
!!!!?
あの時の、 あれか!!!
「かなうわけないじゃないですか」
まあ、側から見たら、そうだよねぇ。
あの時はそういうのではなかったはずなんだけど。
ディーン様に夢中だったんだよね。
今、私はダリウス殿下の婚約者。
婚約者になって、かれこれ5年になる。
もうこのままで良いんじゃないかって思ってたりもする。
フプリーはポリアンナ様の研究室にいて、今は研究とともに、王宮の魔法陣の維持管理と保守も担う様になった。
王太子夫妻に王女が2人お生まれになり、今、王妃となられたサーシャ様は3人目のお子様をお腹に宿していらっしゃる。
王国民としては、王子の誕生を望みたい。
そして、さすがにここまで待つことになるとは思っていなかったらしいダリウス殿下は、次が王女でも結婚すると言い出した。
殿下は王宮に戻るたびに、当たり前の様に私の部屋にやってくる。
フプリー不足を解消するのだと言って。
魔力を交換することは、私たちの日常になった。
殿下はわがままなようで、結構我慢強い方だと思う。
結婚しても研究室に通って良いかと聞いたら、与えられる領地による、との答え。
まぁ、そうか。
最大限譲歩しながらも、私を欲しいと言ってくださる殿下が、最近は可愛くて仕方がないのは何故だろう。
絆されてしまったなぁ、とフプリーは思う。
ディーン様に絡め取られるぞ、と言った殿下。
フプリーはむしろ、ダリウス殿下に絡め取られてしまった。




