フォーリア様
レクトゼイルでフォーリア様の結婚式が行われた。
残念ながら、私は参列が叶わなかったけれど、ディバレイドの王家からはシュドリウス殿下とダリウス殿下が参列され、フォーリア様のご両親であられるブリア公爵ご夫妻、ご友人としてミーレイ様とリヨール君がお祝いに駆けつけた。
フォーリア様からはお手紙をいただいた。
そこには、結婚することを決めたきっかけが、何故だか私にあるのだと書かれていた。
*
我が友フプリー。
貴女があの外交官への想いを断ち切る覚悟をしていた横で、私は自分を省みていたよ。
何度も想いをぶつけてくれているゼネスト王子の、その想いの先が私でなくなったらどうなるだろうか。
私は貴女ほど外国に行くことを恐れる気持ちはないし、私の未来はブリアとディバレイド次第だと知っている。
選択できる未来は決して多くはないけれど、選ぶことができるのであれば、こんなにも幸せなことはないのだね。
自由なはずのフプリーは自由そうに見えて、窮屈そうだ。
でもそれは貴女の信念で、その信念を貫くことこそが、貴女の自由だった。
私は、ゼネストから選ぶ自由を与えられていた。
それに気づく事が出来たから、私はレクトゼイルに嫁ぐ決心をすることができたんだ。
私はどうやらいずれ、この国の王妃になるようだ。他国から嫁いだ私をレクトゼイルの民はどのように受け止めてくれるか分からない。
だが、ゼネストが私の手を取って国民に見せびらかすのだよ。
これが自分の妻になる人だ、なった人だ、この国の王妃になる人なのだ、と。
そう言われてしまったら、応えてやろうかな、と思ってしまうよね。
私はレクトゼイルの王妃になる。
この国をディバレイドと同じくらいに、いや、それ以上に愛し誇りに思うようになるだろう。
もう少し落ち着いたらもう一度手紙を書くよ。
是非、我が国へ遊びに来て欲しい。
貴女が大好きな歌劇を、共に見ようではないか。
レクトゼイル王太子妃 フォーリア
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ゼネスト王子は本当にフォーリア様を大切になさる。
それを確信して、フプリーは嬉しい。
…私は窮屈だろうか。
自覚はないけれど、私は確かにこだわりが強いのだと思う。
ああ、フォーリア様の花嫁姿、見たかったなぁ!
フプリーは悔しい。
でも、仕方がないね。
フプリーは今、メリッサ様の弟子として研究室に勤めている。
メリッサ様ったら、ダニエル様と私を立て続けに弟子にしたくせに、もう一人、魔法学校でスカウトしてきたみたい。
しかも、来年に飛び級で卒業してくる15歳の女子だ。
メリッサ様は非常に多忙な方で、そのくせ弟子の数は多い。その大半は独立していて、今研究室にいるのはダニエル先輩と私くらいな物なのだけど、その女の子のスカウトを決めてきたくせに、急に研究室を閉じるかもしれない、だなんて言い出したのだ。
ええええ?!
まだ、弟子になったばかりですけど?!
「新しい師匠は用意したわよ」
簡単にいう師匠に、ダニエル先輩も私も、頭がついていかない。
「やることは同じ!というか、筆頭魔術師の方も彼女に押し付けるから。助けてやってくれる?」
筆頭魔術師も辞めるの?!
「あー、そうそう。王宮魔術師としては、君たちの方が先輩だから。そこんところもよろしく!」
よろしく?!
宜しくない!!!
そうして、ご紹介頂いたのは、なんとポリアンナ様だった。




