30/52
ヒュードル様
こちらも短いです。
魔法騎士コースのヒュードル様のところに行くには、流石に女子ばかりでは難しく、リヨール君にお願いした。
もちろん、男子と二人で行くわけにもいかないし、リヨール君の隣には、ミーレイ様。
お二人は私のお願いに顔を見合わせ、何も聞かずに頷いて下さる。
訓練場ではなく、待機場のようなところに向かい、リヨール君がヒュードル様を呼び出してくださった。
ああ、かっこいいなぁ。
背の高いヒュードル様に、見惚れてしまう。
私はカーテシーをして、ヒュードル様に手紙を渡す。
ヒュードル様は静かな表情で私を見て、手紙を受け取った。
そしてその場で片膝をつき、騎士の礼をしてくださる。
驚きかたまる私の耳元で、ミーレイ様が促す。
「フプリー、手を」
おずおずと差し出した手を、ヒュードル様に取られ、その手の甲に額をつけられた。
ヒュードル様の髪は、思いの外柔らかい。
立ち上がったヒュードル様は、穏やかに微笑まれた。
「私には、貴方の誠実さが眩しい。ありがとう」
ああ…、なんて綺麗な笑顔。
私は、この人を断ってしまったのだ。




