フプリーの手紙②
ガレ伯爵家メルト様
いつも楽しいお話をありがとうございます。
私の専攻は魔法陣ですから、メルト様のお話ししてくださる魔石の話は知らないことばかりで、とても興味深く楽しませていただいてます。
そして、結婚の申し込みをありがとうございます。
メルト様の奥さんになったら、もっとたくさんお話ししてもらえるのかな、と楽しそうな未来に心が奪われてしまいそうになりました。
メルト様には至らないと自覚しておりますが、今、私は魔法陣の研究が楽しいです。叶うのであれば、このまま研究を続けられる環境に行きたい。
自領に研究室、という発想の素晴らしさに感動しました。
実は私、自領が大好きなんです。
だから、
王都に居なくても研究は出来る!
には、
確かに!
と、目から鱗です。
メルト様の故郷のガレ伯爵領もきっと素敵なところだと思います。メルト様の作る研究室も絶対に素敵。
ただ、残念ながら私はまだまだ未熟者で、もう少し学ぶ必要があります。
学校はまだあと2年はありますから、考え方は変わるかもしれません。
けれど、魔法陣をもう少し深く学びたい。
そして、メルト様が研究に夢中になるのと同じように、私もきっと研究に夢中になる。
そうなったら。
私はメルト様に会えるかしら?
同じ研究室なら、会えるけれど。
魔石と魔法陣の研究を一緒にすることも、いつかはできるかもしれないけれど。
そこに至る前に、寂しくなってしまいそうです。
寂しくなったら、苦しくなります。
私には、その覚悟がありません。
お家にいてくれたら嬉しい、と言ってくださったメルト様のお言葉に応えることが出来ず、申し訳ありません。
いつか、メルト様に
フプリーの魔法陣にこの魔石を託したい
と言ってもらえることが、今の私の夢です。
この我儘な私を許して頂けるのであれば、どうかこの先も同じようにお話を聞かせていただきたいです。
魔石のお話をしてくださるメルト様も、メルト様が教えてくださる魔石のお話も、私はとても好ましく思っています。
カルマン伯爵家次女 フプリー




