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フプリーは逃げ切りたい  作者: サンガツワサコ


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ローザのお茶会①

春休みの前に、ローザからお誘いを頂く。

なんと、ローザ主催のお茶会なのですって!


初めてのお茶会だから本人が不安らしくフォーリア様経由でミーレイ様にアドバイスを頂くのだそう。


うん、良いと思う!


ミーレイ様はお茶会のプロな感じだもの。


ミーレイ様が、招待客を選定するのに、初めてであればローザと親しい友人だけ招くと良い、と話していたらしく、光栄な事にお招きいただいた次第だ。


今回の招待客は、殆どが寮生。

主に下位貴族の令嬢たちだ。


フプリーのほかに、レベッカ、カーレ、ネリーはもちろん、ニッカ子爵の双子令嬢のルビアとセレナ、相談に乗ってもらうミーレイ様と、ミーレイ様と繋いでくれたフォーリア様。


「王族がいた方が箔がつくわね」


とミーレイ様がナタリー王女を招こうとして他の招待客に緊張が走った。


せめて話したことのあるダリウス殿下にお願いしたい、とローザに懇願され、王子が引き攣った顔で了承していた。


流石に王子も女ばかりの茶会に出ても良いとは言わないだろうからと、男子にもいくらか声がけをする。


当たり前のように、リヨール君の参加は決まり、ローザと同じ魔法陣コースの研究班だという男爵家のヴァルター先輩にお声がけした関係で、同じ魔法陣コースの秀才ダニエル先輩まで引っ張って来られた。ちなみに、魔法陣コースの男性3人のうち、リヨール君以外は寮住まいだ。


遠乗りでお世話になったのでイエン様とヒュードル様にも声をかけようかという話も出たが、上位貴族に慣れていないローザが遠い目をした(フォーリア様談)というので、そこは茶会の開催に慣れてから改めてお招きした方が良いと、ミーレイ様がアドバイスされていた。


ああ、ローザ。その気持ち、すごくよくわかるよ…


お茶会は、王都の外れに構えられた、ディプソーの邸宅で開かれる。


ディプソーが迎えの馬車を3台も用意してくれて、寮生達は賑やかに乗り込んだが、フォーリア様と私だけ、何故かダリウス殿下に強制連行された。


何故?!どうして?と騒ぐも、


「リヨールはミーレイと乗り合いで行くだろう?」


だから、何?

殿下一人だと寂しいってこと???


「お前、気づいてないだろうけど、おそらくアイツが来るぜ?」


「アイツ?とは?」


首を傾げるフプリーの隣で、フォーリア様がひとこと。


「外交官じゃない?」



え?ディーン様が、いらっしゃるの?!


フプリーの胸が跳ねる。


「覚悟が出来ていないなら、あまり近寄らない方がいい。絡め取られるぞ」


…どういう事だろう?


茶会にしても夜会にしても、爵位が高い者ほど遅くに到着するように時間を調整するものらしい。

寮を出たのはほぼ同時だったのにも関わらず、王家の馬車は少し遅れてディプソーの邸宅に到着した。


馬車から降りる際には、ダリウス殿下のエスコートを受ける。


ローザの茶会もミーレイ様に倣って制服での参加という縛りにしていた。。

殆どが魔法学校の制服だが、見慣れない制服は、国立の上級学校のものだ。


4ヶ月ぶりのディーン様の、制服姿!


フプリーはちょっと嬉しくなったのだけど、当のディーン様は少し表情を固くした。


「ダリウス殿下、本日は我がディプソーへ足をお運びいただきましてありがとうございます。私は嫡子のロイドでございます」


ロイド様が、殿下の前に出て片膝をついて挨拶される。あれ?と、違和感を抱いていたら、殿下が手を振る。


「ディプソーは今はもう男爵位を得ている。平民の礼は不要だ」


そうか、あれは平民が王族に謁見する時の礼の形だったのか。


「光栄にございます」


ロイド様は立ち上がり、改めて立礼をされる。


「不慣れなもてなしでございますので、至らぬ点もあるかと思います。ご要望がございましたら遠慮なくお申し付けくださいませ」


…すごい低姿勢。カルマン領での陽キャなロイド様のイメージがあったので、フプリーは違和感を拭えない。


「承知で参加している。私はローザの同級として来ているのだから、過剰なもてなしは不要だ。ディプソーのためではなく、友人のために招きに応じた。心得よ」


対して、ダリウス殿下の王族としての振る舞いにもびっくりだ。


え?これ、王子?別人じゃない?



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