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おやすみ

読んでいただきありがとうございます。


日本語にはまだ不自然な部分があるかもしれません。


もし誤訳や不自然な表現などがありましたら、コメントで教えていただけると嬉しいです。


これからもよろしくお願いします。

静かな夜だった。


森の奥、小さな村の中で、少女は静かに眠っていた。


しかし奇妙なことに、その部屋はあまりにも広すぎた。

子どもが寝るには不釣り合いなほどに。


まるで倉庫のようであり、あるいは本当に倉庫だったのかもしれない。

家具もなく、飾りもなく、窓さえない。


暗闇の中、薄い毛布にくるまった少女だけがそこにいた。

光は一切なかった。


静かな夜は彼女の眠りを守っていたが——やがて音がした。


外から悲鳴が響く。


少女はゆっくりと目を開け、暗い部屋の中で視界を取り戻そうと目をこすった。


「……ママ……」


さらに悲鳴が続く。足音、叫び、混乱。


まだ半分眠ったまま、少女はゆっくりと立ち上がり、扉へ向かう。


扉を開けようとしたが、鍵がかかっていてびくともしない。


そのとき、肌に熱が触れた。優しい温もりではない、灼けるような熱だった。


外の悲鳴はさらに大きくなる。


「……ママ……」


恐怖が声に滲む。少女は扉を叩き始めた。


だが、何も変わらない。


そのとき——


ガンッ!


壁が内側から破られた。


燃えた木の幹が部屋に倒れ込み、瓦礫が散らばる。


少女は凍りついた。


倒木の穴から外へ這い出ると、ようやく見えた。


燃える村だった。


家々は崩れ、炎が夜を染め、煙が空を覆う。

地面には動かない人々が赤に染まって倒れている。


「……ママ……」


少女はふらつきながら村の中を走り出した。母を探して。


必死に探していると——


男が目の前を走り抜けた。


その背後から、もう一つの影。


ザシュッ!


刃が男の背中を切り裂く。


少女は理解できなかった。敵なのか味方なのかも分からない。


殺した者はゆっくりとこちらを向く。


少女はすぐに森へ向かって逃げ出した。


「おい!待て!」


重い足音が追ってくる。


しかし突然、その足が止まった。


男の足元に白い魔法陣が浮かび上がっていた。


振り返ると、燃える村の中心に一人の老人が立っていた。


その体には奇妙な紋様が浮かんでいる。


魔法陣はどんどん広がっていく。


そして老人は膝をつき、苦しみ始めた。


「ぐあああっ!」


「なんだこの魔法陣は!?」誰かが叫ぶ。


「知らん!やれ、あの老人が詠唱者だ!」


剣が振り下ろされる。


ザシュッ——


老人の首が落ちた。


だが魔法陣は止まらない。むしろ広がり続ける。


「なんで止まらない!?」


「逃げろ!」


「死体はどうする!」


「いい、逃げろ!」


兵士たちは混乱しながら散っていく。


少女はただ森へ走った。


背後で白い光が村も森も飲み込んでいく。


そのとき、落ちた老人の首がわずかに動いた。


「……スタ……フォール……」


その瞬間、空から光が降り注いだ。


甲高い不気味な音と共に、世界が白に染まる。


少女は振り返らずに走り続けた。


やがて光は収束し、天へ突き刺さる柱となって消えた。


——村は静まり返っていた。


音は一切ない。


人の気配も、何もない。


村はそこにあるのに、誰一人としていなかった。


少女は森の中で足を止め、そして——


石につまずき、頭を打った。


暗闇が視界を飲み込んだ。


朝は静かに訪れた。


エリンは自分のベッドで目を覚ました。


窓から朝日が差し込む。


彼女はしばらくぼんやりと座り、それから顔を洗いに行く。


着替えを済ませると、ギルドへ向かった。


ギルドはいつも通り騒がしい。


冒険者たちの笑い声と、木のテーブルにぶつかるジョッキの音。


何も変わらない日常。


彼女はサラダを注文し、一人で静かに食べた。


食事を終えると、ギルドを出て図書館へ向かう。


図書館は静かだった。


人々が本棚の間で静かに本をめくっている。


エリンは誰かを探すように本棚を歩いていく。


そのとき——


後ろから誰かに押された。


「わっ——!!」


「きゃっ!」


エリンは驚いて振り返ると、そこには笑いを堪えるローラがいた。


館内の視線が一斉に集まる。


エリンは顔を真っ赤にした。


「も、もう……やめてください……」


小声で抗議する。


「へへ、ごめんごめん」ローラは笑う。


そして受付へ向かう。


「これ、頼まれてた本」


エリンは丁寧に受け取る。


「ありがとう」


ローラは腕を組んで得意げに笑った。


「ちゃんとお礼してよね。結構探すの大変だったんだから」


「う、うん……」


「冗談だって」


ローラは身を乗り出す。


「で、他に用は?」


「もうないよ。でも……ロランの本、図書館は受け入れてくれたの?」


「一部はね。でもほとんどはまだ」


「学院に回して検査だって。時間かかるわよ、あの頑固な学者たち」


ローラはため息をついた。


「まあ、でも希望はあるってこと」


「そうだね」


その頃。


太陽の下、かつてエリンが訓練していた場所で。


アウエルとリッカが剣を交えていた。


リッカは猛攻を仕掛けるが、アウエルは冷静にいなしていく。


距離が開くと、リッカの剣が炎を纏う。


斬撃が飛ぶが、アウエルは防ぎ、反撃を返す。


リッカは同じ技を真似しようとするが——


爆発。


「うわっ熱っ!」


地面に倒れるリッカ。


「くそ……なんでできねぇんだよ」


アウエルは水をかける。


「練習不足だ」


「いや、俺はお前の技は一発で真似できたのに!」


「運がいいだけだ」


リッカは舌打ちした。


「もうやめだ、ギルド戻って依頼だ」


二人はギルドへ向かった。


そしてギルドの掲示板。


リッカが紙を手に取る。


「これどうだ?調査依頼」


「調査?」


「問題は、この生物の情報がまったくないってことだ」


「はぁ? もうちょいマシなのないのかよ」


リッカは呆れたように目を細め、掲示板から依頼書を取り外した。


そして軽く紙面に目を通すと、そのまま読み上げる。


「えーっと……対象は白い体毛、もしくは白い外皮を持つ生物。体長はおよそ五メートル前後」


リッカは首を傾げた。


「それ以外の情報はなし。以上」


紙を軽く振りながら肩をすくめる。


「どう考えてもただのアルビノのヘビとかだろ、これ」


アウエルは目を細めた。


「……もしアルビノのヘビじゃなかったらどうする。最初の依頼の時みたいに」


リッカは鼻で笑った。


「考えすぎだっての。行けば分かるだろ」


依頼書を受付へと持っていきながら、リッカはそのまま歩き出す。


アウエルはしばらくその背中を見つめたあと、小さく息を吐いて後を追った。


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