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盗賊クエスト : しびろ

読んでいただきありがとうございます。


日本語にはまだ不自然な部分があるかもしれません。


もし誤訳や不自然な表現などがありましたら、コメントで教えていただけると嬉しいです。


これからもよろしくお願いします。

「おぉ……相変わらず無駄がねぇな」


アウエルは懐から縄を取り出し、リッカへ放った。


「早く縛れ」


三人は素早く動いた。


気絶した盗賊たちを茂みへ引きずり込み、逃げられないようにきつく縄で拘束する。


その頃には雨も強くなり始めていた。


「中に入ろう」


三人は急いで遺跡へ足を踏み入れた。


中へ入った瞬間、闇が彼らを飲み込む。


「暗すぎるだろ……」


リッカが眉をひそめた。


「何も見えねぇ」


「わ、私が明かりを――」


「いや」


アウエルが即座に遮る。


「リッカ、お前の炎を使え」


「……? なんでだ?」


「光魔法じゃ位置が割れる」


「なるほどな」


リッカは剣に炎を灯した。


だが――


「おい、少し弱めろ」


炎が眩しすぎた。


アウエルは思わず目を細める。


「明るすぎる」


「あはは、悪い悪い」


炎の勢いを抑えると、ようやく周囲が見える程度の明るさになった。


三人は慎重に遺跡を進む。


先頭はリッカ。


中央にアウエル。


最後尾にエリン。


ゆっくりとした足取り。


曲がり角では必ず立ち止まり、周囲を確認する。


だが――


何もない。


声もない。


気配もない。


「なぁ、本当にここがアジトなのか?」


リッカが小声で言う。


「お前も見ただろ。あいつらは確かに誰かをここへ運び込んだ」


アウエルが答えた、その時だった。


カチッ


何かを踏んだ感触。


アウエルの動きが止まる。


足元を見る。


そこには淡い光を放つ魔法陣が浮かび上がっていた。


「――っ」


光が爆発する。


次の瞬間。


アウエルの姿が消えた。


「は?」


リッカの目が見開かれる。


「アウエル!?」


エリンも慌てて振り返った。


「ど、どこに行ったの!?」


返事はない。


気配も残っていない。


まるで最初から存在しなかったかのように。


「チッ……なんだよ今の」


その時。


リッカの表情が変わった。


「エリン、下がれ」


「え?」


「来るぞ」


足音。


暗闇の奥から近づいてくる。


リッカは剣の炎を消した。


再び辺りは闇に包まれる。


足音が止まった。


リッカは静かに構える。


その瞬間――


ヒュッ!!


短剣が闇の中から飛んできた。


ガキン!!


リッカは反射的に弾き返し、そのまま前へ飛び出す。


同時に剣へ炎を灯した。


光が広がる。


そこにいたのは二人。


短剣使いと剣士。


二人同時に襲い掛かる。


「遅ぇ」


リッカは一人目の攻撃を躱し、


斬撃。


ズバッ!!


男の胸を切り裂く。


もう一人。


剣が振り下ろされる。


ガキン!


受け流し。


そのまま反撃。


ズバッ!!


二人目も倒れる。


「楽勝――」


そう呟いた瞬間。


ヒュッ!!


再び飛来する短剣。


ガキン!!


リッカは弾いた。


「チッ! 出てこい!」


前へ踏み込む。


すると横から斧を持った盗賊が飛び出した。


だが。


遅い。


ズバッ!!


一撃。


盗賊は崩れ落ちた。


「よし、エリン。こいつらを縛って――」


その時だった。


ぞわり。


背筋を冷たい何かが走る。


近い。


異常に近い。


リッカは即座に振り返り、剣を構えた。


ガキィン!!


攻撃を受け止める。


だが。


そこには誰もいない。


そして。


空間が揺らいだ。


男の姿が現れる。


「透明化か……!」


男は軽やかに後退した。


長い金髪。


白い肌。


細身の長身。


口元には余裕の笑み。


指先で短剣を器用に回している。


先ほどから短剣を投げていた張本人だ。


「へぇ……なかなかやるじゃねぇか」


「リ、リッカ!」


「大丈夫だ」


リッカは剣を握り直した。


「こいつは今までの雑魚とは違う」


男もまた二人を観察していた。


炎使いの剣士。


そして魔法使いの少女。


あの剣士は厄介だ。


だが本当に危険なのは――後ろの女か。


「ファイアボール!」


炎弾が飛ぶ。


男は軽く横へ避けた。


一つ。


リッカが突っ込む。


炎を纏った斬撃。


男は受け流しながら後退し、短剣を投げた。


だが狙いはリッカではない。


エリン。


「アースウォール!」


地面が隆起し、壁が短剣を防ぐ。


二つ。


リッカが追撃する。


男は笑う。


そして指を軽く動かした。


「リッカ!」


エリンが叫ぶ。


グサッ!!


リッカの身体が揺れた。


地面に落ちていた短剣が突然宙へ浮き上がり、彼の脇腹へ突き刺さったのだ。


「なっ……!」


さらに男が指を動かす。


短剣はひとりでに抜け、再び男の隣へ浮かび上がる。


「念動操作か……!?」


男はエリンへ向かって駆け出した。


「ライトニングスパーク!」


雷撃。


男は飛び越える。


三つ。


そのままエリンの背後へ回り込み、袖から新たな短剣を抜く。


振り下ろそうとした瞬間――


「ウィンドゲイル!」


暴風。


男は吹き飛ばされた。


「チッ……」


体勢を立て直す。


だが笑みは消えない。


面白い。


だが問題ない。


あと二、三発も撃てば魔力切れだ。


男は手を動かした。


短剣が高速で飛ぶ。


「アースウォール!」


再び壁。


「へぇ……」


まだ使えるのか。


男は身体強化を発動する。


「身体強化」


姿が消えたような速度。


壁を駆け上がる。


死角から短剣を投げる。


だが――


ガキン!!


リッカが防いだ。


男は地面へ着地。


そのまま突撃。


グサッ!!


短剣がリッカの腹へ深く刺さる。


それでも。


リッカは止まらない。


斬り上げる。


男は飛び退く。


「リッカ!」


「大丈夫だ!」


男は両手を動かす。


周囲の短剣が一斉に浮かび上がった。


次の瞬間。


全方向から襲い掛かる。


ガキン!


キン!


ギン!


捌く。


躱す。


だが数が多い。


肩。


脚。


脇腹。


次々と傷が刻まれる。


血が流れる。


それでもリッカは立っていた。


「エリン! 下がれ!」


男は再び接近する。


短剣が周囲を回る。


リッカが斬りかかる。


受け止められる。


その隙に短剣が肩へ突き刺さる。


さらに脚。


「ファイアボール!」


だが短剣が炎を切り裂いた。


終わりだ。


そう男は確信する。


高速でエリンへ迫る。


「ウィンドゲイル!」


再び暴風。


男は吹き飛ばされた。


地面へ転がる。


そして目を見開く。


まだ魔力が残っているのか?


あり得ない。


立ち上がる。


短剣を浮かせる。


二本を放つ。


「アースウォール!」


また壁。


男は壁を駆け上がる。


隙間を見つける。


そこへ短剣を投げた。


エリンは躱す。


男はその隙間から飛び込んだ。


だが。


ガキン!!


リッカが防ぐ。


男は舌打ちした。


どうなってる。


あの女、まだ魔力があるのか。


「エリン! 今だ!」


「ブラインドライト!」


閃光。


凄まじい光が爆発した。


「ぐあっ!?」


男の視界が真っ白になる。


その瞬間。


リッカが突撃した。


炎を纏った斬撃。


男は辛うじて視界を取り戻し、防御する。


だが押される。


距離を取る。


男は息を荒げた。


なんなんだあの女。


魔法を何発撃った?


八発どころじゃない。


異常だ。


「ファイアボール!」


炎が飛ぶ。


男は鼻で笑う。


またそれか。


だが。


「ウィンドゲイル!」


風が炎を呑み込む。


炎は巨大化した。


巨大火球。


「なっ――!?」


轟音。


爆発。


煙が立ち込める。


その煙の中から。


炎の斬撃が飛んできた。


直撃。


男の身体が焼かれる。


煙が晴れる。


リッカはもう動いていた。


男も短剣を構える。


上段からの斬撃。


受け止める。


だが。


リッカは止まらない。


回転。


横薙ぎ。


男は後退。


着地するより先に――


炎の飛ぶ斬撃。


ズバァッ!!


胸へ直撃。


男がよろめく。


リッカが駆ける。


最後の一撃。


男も負けじと短剣を操る。


だが。


遅い。


先ほどまでの速度がない。


リッカは全て躱した。


そして炎の斬撃を連続で叩き込む。


男は耐える。


だが限界だった。


最後に。


リッカの剣が振り抜かれる。


ズバッ!!


男の身体が崩れ落ちた。


静寂。


リッカはその場で肩を上下させる。


全身血だらけ。


「リッカ! 怪我を!」


エリンが駆け寄る。


「頼む……」


さすがに限界が近かった。


治癒の光が彼を包む。


温かい光。


傷がゆっくり塞がっていく。


「……よし」


リッカは深く息を吐いた。


「こいつらを縛って、それからアウエルを探そう」


その時だった。


ゴゴゴゴゴ……


遺跡全体が大きく揺れる。


天井から砂埃が落ちる。


地面が震える。


「はぁ!?」


リッカが顔を上げた。


「今度はなんだってんだよ!?」


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