第83話 聖マリージェーンの黙示録 第二章
一行が現場に到着すると、ものすごいハーブが生えていて、マリーはテンション爆上がりです。
大いなる草が行く手に現れた。一つの枝条が太陽を浴び、天高い位置に12の花穂を付けていた。この雌株は子を宿しており、産みの苦しみと種子への栄養供給のため枯れ始めていた。
12の花穂は香りを失い、かわりにぎっしりと充分に種子をつけていた。マリーとジャックとスラは花穂を摘み、この株の根を掘り起こし肥料たっぷりの植木鉢へと移植し、3人おのおの420日の合計1260日保護する事とした。
この薬草の花穂と種子では効果が全然違うけれどもどちらも有用。血流促進、食欲増進、鎮痛消炎作用といった「動」の薬効を持つ花穂に対し、種子には正常な身体を作るという「静」の栄養素がある。少年が今生きるのに必要なのは花穂だが、将来治る可能性をもたらすのは種子の方。商用栽培では高値で売れる花穂が過剰に重宝され実ると交換価値が下がり雄株のない空間で隔離するというのも一般的だけど種子の栄養は花穂では替えられない。それにストレスフルな環境で育てても良い腺毛はつかない。時期が来たら受粉するのがこの草のあるべき姿。
またもう一つの草が現れた。見よ、大きな赤く熟したてっぺんの花穂がついていた。7つの花穂が10の枝に付き通常の七倍の密度の腺毛が生えていた。
マリーが先週見つけたこの株は、豹のようにまだらな腺毛が茎にまで生えてて、ところどころに傷ついた部分にはべっとりと樹脂が垂れ、花穂と同じくらいの芳香を放っていた。
その花穂は先週刈り取られたばかりだったが、その致命的な傷も既に新しい花穂ができ復旧していた。
また、花穂からも樹脂が垂れて拝みたくなるほどの生樹脂を纏っている。
「ジャック!見て見て!この子ったら茎にまで腺毛から樹脂垂れてるわよ!」
マリーは興奮気味にジャックを呼びつけて指をさす。
「店長、この株だけでなく奥にまだ収穫すべき花がいくらでもあるでしょう?」
「ええ、でも生樹脂の薬効成分の濃度と全成分のバランス、そして経験の浅いロムルスたちでもナイフで撫でるだけで集められる効率性は今の私たちにぴったりよ。葉や花を落とさずに腺毛だけを集めましょう。」
先週摘んだばかりの花が同じ個体からリポップしてる回復力は放置すれば通路を塞いで誰にも通れなくなり、ここらか奥の株にアクセス出来なくなる事態にも直結する。
あの少年が完治した暁には受粉させてあげるね……とその神々しいまでのハーブに少年の回復の願をかけた。
マリーはまた、他の個体が大地から昇ってきて芽吹き、双葉になっているのを見た。それからマリーはそこに肥料を与えその個体が花穂をつけることが出来るようにさえした。
魔王やらヤマタノオロチやら黙示録の赤竜がみんなハーブになってるってやつ書いたあと、原典を読むたびに思い出し笑いしてしまいます。なんとかしてください(笑)




