サプライズ
「で?いつ帰るんだ?」
「気が向いたら、ですかね」
なんだこいつ、自由というものを体言したような女だ。よくもまぁこんなのを弟子として育てられたな。
「いやーほんと感謝してますよー」
「心をナチュラルに読むんじゃない」
全く、油断も隙もありゃしない。
「個人的には隙を見せてくれた方がいいんですよねぇ」
「なんで?というか心読むのやめろ」
「弱みにつけこんでそのままなし崩し的にそこそこいいポジションに収まれそうじゃないですか」
「お前そこら辺やけにリアルだよな」
なんかいつも夢物語語ってそうなイメージなのに唐突に現実的なことを言い出すこともある。
こうして話をしている内に、急造校舎につく。
「なんで校舎なんかに?」
「お前の事情を説明するためだよ!」
こいつのせいで一旦演習が中断になってしまったので、そのことについての説明を求められている。
「へぇー。大変ですね!」
「他人事みたいに・・・」
自分のしでかした事にはあまり責任を持たない人間である。人の生死など、そこそこの大事だとそれを一応解決するのだが、その他あまり重大ではないとこんな感じである。
「で、まぁお前一応プロだろ?生徒からなんか要望あるかもしれないから、そんときは対応よろしく」
「えぇ~仕方ありませんねぇ」
そんなこんなのやり取りをしている内に、グラウンドに付く。そこにはまぁ一部の反抗的な生徒とさっき俺が保健室に送った以外の生徒が集まっていた。
演説用の台に上がり、マイクとスピーカーを生成しドローンで上からスピーカーで音声で流せるようにした後、話を始める。
「あーあー、マイクテス」
まずはマイクテスト。基本である。ハウリングなども起こっていない。
「えー。まぁ今回は演習が中断になってしまい誠に申し訳ない。原因は、スパイが侵入した、と伝えられているが、実状はちょっと違う。まぁちょっとしたサプライズみたいなものだ」
「それでは猪飼プロ、壇上へ」
色々とほかの先生方の意見を秘密裏に念話で集めた結果、最終的にサプライズ、ということにした。それが一番こいつの為になり、生徒も納得するからである。プロがスパイ行為、なんてことになったら洒落にならん事態になる。育てた俺にまで責任が飛んできかねん。
「どうも。プロとして活動させてもらっている猪飼です!」
その瞬間、野郎どもの歓声が校舎を包み込むのではないか?というほどの大音量で響きわたる。
(まぁ外見と、外あたりだけはいいからな。頭は悪いけど)
頭が悪い上に刹那的な快楽主義者である。まぁ最高に人生を楽しんでいる奴ではあるだろう。その結果おれにちょいちょい迷惑がかかってるがな!
ひっっっさびさですね。




