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村正乖離

「…で、どうするんですか?憑依したままですけど」

「面倒だが村正の精神だけ取り出して適当な人形にぶち込む」

「出来るんですが?」

「錬金術の最終目標は完全な存在の錬成だ。まぁ卓上の空論だが、物理反射魔法吸収の生物もいる。その際に魂が絶対に必要だからな。最上級錬金術師を名乗るなら魂の摘出は基礎の基礎だ」


実際俺の倉庫には大量のモンスターの魂が眠っている。たまに神社に寄贈(と言う名の接収)してお守りなんかにもなっていたりする。


「まぁ無機物からの摘出は初めてだがなんとかなるだろ」

「ちょ」


村正の刀身に手を当て、握りしめる。指が切り落とされそうだが、もう慣れた感覚なので大して気にしていない。


村正の刀身全体に魂が癒着していて引きはがしにくくてたまらない。まるで超強力な接着剤で張り付けられているような引きはがしにくさである。


「ぬぅ…面倒だなぁ」

「ちょ、血、出てますよ!?」

「指が落ちてる訳じゃないし。モーマンタイモーマンタイ」


落ちるまでは損害軽微、落ちたら中破、粉砕されたら大破っていうのが勇者パーティの鉄則だったからな。中破までなら戦闘続行なのだからブラックもいいところである。


強引にひっぺりはがすのは無理だと判断したので、若干の強引な手段に出る。裏技的なものであるが、外部装甲を上書き、つまり物理的に引きはがしてから対処する。固有能力ユニーク持っている魂をぎりぎりで傷つけない範囲で変質させるから凄く絶妙な範囲なのである。


「薄さ0.01㎜…」


念仏のように求められる条件を唱えながら周りがスローで再生されたように見えるほどの集中力で剣の外縁を変換していく。ティッシュペーパーよりもさらに薄く変換し、それを破けないようにはがす。


後はこれから魂の大本を抽出するだけだが、設備がないので出来ない。なのでこれは重要なポーチの中にでも放り込んでおこう。


「あ、戻ってる。胸の大きさも」

「本当に変身ってどうなってるんだろうなぁ?」

「知りませんよ」


体の形まで変形するとかそれって生物と言っていいのかどうかも分からんね。


『土田先生、前田先生。早急にグラウンドに集合してください』


突如アナウンスで呼び出しが入る。前田君と顔を見合わせると、その双方の顔面が蒼白になった。


「やべぇ」

「死にますよ?」

「急ぐぞ」

「了解です!」


前田君と土田は走った。それはもう物凄い速度で。音速を超えるかと言うほどのスピードで急造の宿舎を駆け抜ける。

二人に未来はあるのか?


予定と言ったな。予定は未定だった。と言うわけで明日こそは

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