グロテスクな結末?
グロ描写が苦手だと理解できた(´・ω・`)
重複表現があったので若干の訂正をば
だが前田君とて戦闘のプロである。この程度の危機に陥った事は幾度もあるだろう。
即座に精神を持ち直し意識を戦闘に集中させる。
固形は無理だと判断したのか前田君は比較的弾速の速い風、雷を主に使い始める。水流ビームは常時薙ぎ払うが行動の制限が出来ているとはとても思えないが、牽制程度にはなっているのだろう。
幾本もの稲妻が少女を追うように着弾するが、直撃しないどころか掠りもしていないのか体に傷は見られない。
不可視の弾丸である風は引力によりわざと自分に吸い寄せ、刀身に吸収している。刀身は若葉色に染まっているのがどれだけのエネルギーが吸収されているのかを示している。
雷撃は吸収せずに回避しているのが若干不可思議ではあるが、その答えはすぐに知ることになった。
「放出!」
刀身に吸収された風は暴風を地面に叩きつけ、村正は大空へ跳躍し、太陽に向かって一直線に突っ込む。
「無暗に飛ぶなど愚の骨頂よ!」
前田君のキャラが若干崩れた。まぁそれはどうでもいいので置いておこう。
6本の水流が村正の背後を塞ぐことで真後ろへの撤退を防ぐ。そして前田君本人はと言うと…
「身体強化actEX」
筋肉もりもりマッチョマンになっていた。筋肉繊維の隙間という隙間に魔力が入り込み補強し、そのパンチは鉄塊をも粉砕しキックは地面をたたき割る所謂スーパーモードだ。
村正は尚突進を停止しない。出来ない。背後や横には水圧カッターの檻の壁が形成されており、下手に止まろうものなら一瞬でズパンと切断されるであろう。
一瞬でほぼ詰みの状況に陥った村正であるが、その顔にはまだ笑みが浮かんでいる。切先はぶれずに前田君の心臓を貫こうとしている。引力を全開で使い、周囲の空間ごと吸い込みかけ、水圧カッターすら自分に引き寄せている。
「へし折れろ!!」
突き出された剣を両手で叩き潰すように挟み込む。
「ぶち抜く!」
無理くり押し込むように力尽くで圧縮機のような両手の握力をぶち抜こうと吸い込んだ空気を背後に全力で放出を続ける。
軌道をゆがめられた水圧カッターは無作為に暴れまわり、村正の肌を傷つけるが、それでも尚引力は弱まらない。
全力で握り潰しにかかっている前田君だが、ここで自らのミスを悟った。
全力で握りつぶしているはずの刀身が全く歪まないのだ。それどころかどんどん硬くなっていると感じる。
村正は何を吸収、吸引しているのか?物質?違う。魔力、そう魔素そのものを取り込みそのエネルギーを最適化して放出していたのだ。ハンマー投げなどは周囲の気流を吸収している副作用的なものを利用した攻撃であった。『物質』を吸引するのではない事に気づいた時にはもう遅い。
身体強化は全身に魔力を纏う事で筋力の底上げを図る魔法である。つまり発動している限り相手は強化され続け、こちらは魔力を吸い取られる。しかし、ここでやめては自分の心臓が貫かれる。
どちらにしろ死、避けられない。そう判断した前田君は――自爆した。背後で火属性の爆発が起こり、目をくらますと同時に体に瞬間的な加速をつけ、身体強化を解除しながらの突進を繰り出す。突然すり抜けた切先は切先がズレ、心臓の真横、肋骨を貫通し肺に穴を開ける。
しかし突進は止まらず、手が村正の腹の部分に触れたと同時に、全ての魔力を一点集中、解き放つ。
ズドンと大砲を発射したような轟音が響き、村正の体が前田君から離れ、背後のカッターに迫る。手足が切断され、赤黒い血をまき散らしながら地面に叩きつけられる。
ワオ、グロテスクとしか言いようのない光景である。一人は胸に穴が開いており、大動脈を傷つけられ、数分で死に至るだろうし、もう片方は左手両足が綺麗に切断され、その周囲にはその手足が散らばっているのである。こちらも数分どころか最悪数十秒で死だろう。




