魔王の何気ない悲劇
注:今回下ネタがかなり含まれています
「なぁ、魔王君」
「なんだね?土田君」
「君は一体何をやっているんだね?」
薄暗い部屋。2つの椅子。座る二人の男は互いに目を見つめ合う。
「何を、というのは?」
「貴様は今何をやっていたのかと聞いている!」
「ふむ。君と会話をしている、という回答では不満かね?」
激昂する一人の男。動揺すらせず、飄々と、ふらふらと受け流すもう一人の男。両方は対照的であった。
「――だから!貴様は何故俺の部屋に入り込んだ挙句!エロ本を机の上に出すなどと言った中学生の時の母親がするような行為をしていたのかと聞いているんだ!」
「イラッときたから。反省はしている。だが後悔はしていない」
やはりシリアスなんてなかった。
昨日、魔王とちょっとした口論になった。目玉焼きに何をかけるか?という至極どうでもいい口論である。土田は醤油派、魔王はソース派であった。ついでに魔王の娘や息子はどっちでもいい派だった。
「クッソお前、明日精力剤が必要な状況にしてやろうかワレェ!」
「やめろ。やめろください。死んでしまいます」
魔族の精力は非常に高い。男も人間からするとかなり高いが、絶倫程度である。だが、女はもう本当にヤバいらしい。一晩中搾り取られて死にかけた事が何度かあったらしい(魔王談)。
「お前の部屋に置いてあるエロ本とHDDの中身を奥さんの携帯に送信したらどうなると思う?」
「うん。溜まってると思って確実にヤられますわ」
「それをされたくなければ即刻全ての画像ファイル削除、エロ本を焼却処分しろ」
「いい加減に―」
「――あ、ちょっと魔王が今」
「すいませんでした」
この間なんと驚きの1秒である。ついでに本当につないではいない。というかこいつはなんであんな美人の奥さんがいるのにオカズなんて欲しがるのか。贅沢という物ではないか?
「畜生…やってやるよぉ!」
その日、俺の家の庭から火が燃え盛り、それと同時に中年らしき男のすすり泣く声と、高笑いする声が聞こえた。
「あぁ~明日から演習か~ダルい」
「くそ…絶対いつか復讐してやるからなぁ…」
「暴力に訴えるなんて野蛮な考えはやめた方がいいと僕は思うよ?」
「くっそウゼェ…」
煽るときはわざと僕、や私、と言った表現を使ったほうがイラつくと思う。思わない?




