魔王と錬金術師
サブタイトルは適当である。
「ただいま~」
「おう、お帰りー」
安らぎの家に帰宅である。相変わらずセンスの欠片もない魔王がいた。
「仕事はどうした?」
「なんか他社とトラブルがあったみたいで、パートは帰っていいぞって言われたから帰ってきた」
「ほ~また災難な」
競馬の特集を見ているようで、ソファにどっかりと座り込み、テレビをつけながら雑誌を眺めていた。
「で、お前もなんか浮かない顔してるけどなんかあったか?」
「いや、留学生をうちのクラスで担当することになってなぁ」
隣に置いてある一人用のソファに腰を掛け、テーブルに置いてあったリモコンのボタンを押し、テレビをニュースから野球の中継に変更する。
「ふぅん。留学生ねぇ。何処から?中国?」
「いや、アメリカ」
「ふぅん。まぁ別にいいんじゃね?」
「アメリカの魔法と日本の魔術って別物なのよねぇ」
「そうなのか?」
「あぁ。どっちかと言うとお前等魔物に近い魔法だからなぁ。アメリカって」
「というと?」
魔族や魔王、魔物と呼ばれる存在は、その個体特有の魔法を駆使する。例えばドラゴンが火を噴くのは魔法で体内の器官の一つに火の魔力をためていて、それを一気に放出したりなどだ。
「感覚的に魔法を使うんだよ。日本は基本的に、魔術としてある程度の規格を定めていて、そこから各々の魔法に派生する訳だが、アメリカの魔法は一人一人のカテゴリが確立されてるんだ」
「ほー。そりゃ俺らに近いな」
「まぁそんな感じだ」
「で?それがどうかしたのか?」
「ぶっちゃけ日本の魔術教えるべきか迷ってる。教えたら教えたで文句言われそうだし、教えなかったらこれまた反発が出るだろうし」
どっちを選んでも面倒臭い事には変わりがないのだ。どれだけの事を教えるかの匙加減が絶妙なのである。
「人間ってのは面倒臭い事を気にするんだなぁ…」
「お前等みたいに強者こそ正義、何てのはもう古いからなぁ」
魔王は雑誌を見ながら詰まらなそうに欠伸をする。魔王からすれば人間が些細な事で怒ったりするのはくだらない事なんだろうが、こちらとしては教職をクビになるかもしれないという一大事なのだ。
まぁクビになろうがなるまいが一生遊んで暮らしていけるだけの金はあるのだからどうと言う事はないのだが、途中で責任を放り出すのは自分の主義に反するのだ。
日付変わってたw




