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錬金術を不遇とか地味とか言ったやつ出てこい。  作者: 普通のもやしっぽいもの
第一章 電脳魔術師(デジタルヴィザード)編
50/90

ハッキングの後

「お前報酬っていつ使う気なの?」

「うぅん……にしても適当に言っただけですしねぇ」

「おい」


あんな事言われたら20年前だったら勘違いしてたかもしれんな。欲も衰えた50代だからなぁ。特に期待もしてなかったしどうせ家でダラダラと過ごすとか買い物の荷物持ちとかそのあたりだったろう。


「育ててもらった時の恩を返そうと思っただけですし…報酬前払いされてたようなものでしたからねぇ」

「ふぅむ。じゃあまぁ一応貸し一つって感じいいか?」

「えぇ。いいですね。まぁ使う時があるかどうかは分かりませんが」


地下室から転移し、いつもの印刷室の床の上に出る。


校門前まで移動し、まだ春の陽気もまだ抜けきっていない空を寝転んで見上げながら、久しぶりの弟子と二人きりの会話に勤しむ。


「本当に久々だなぁ」

「ですねぇ。私はこの学校を見るのすら久々ですが、師匠はこの学校の教師になったんでしたっけ?」

「ああ。まぁな。お前と出会ったときは家庭教師だったからなぁ」


俺がこの学校の教師になったのは約10年ほど前で、それ以前は家庭教師をしていた。それなりの教育技術があったと自負しているし、実際評判も悪くはなかった。むしろ良好だったと言ってもいいが、家庭教師の噂を聞きつけたココの学校の教頭がスカウトに来たのだ。


あまり紳士的とは言えない手段であったが、俺の母校で、師匠の勤めていた学校で働けるとなれば無理してでも断る理由もなく、家庭教師は中止し、学校に転職をしたのだ。生徒がタイミングよくひと段落ついたところだったので、ちょうどよかったというのも一つの理由ではある。


決して給料で釣られたとかではない。


「懐かしいですねぇ…初めてあったのは小学生の時でしたっけ?」

「そうだなぁ……1年くらい男と気づかないで女として扱っていたあの時期が懐かしいな」


校庭でぐだぁっと横になりながらそんな事を話している。誰もいない学校で昔の生徒と一緒に寝転がっている。どっかのギャルゲやエロゲにありそうな展開だが、ここに卑しさは微塵もなかった。


「初めて気づいたのはなんでしたっけ?夏でTシャツ一枚でごろごろしてた時でしたっけか」

「そうだったなぁ…記憶は薄れているがそこだけはピンポイントで残ってる。人の頭って不思議だよなぁ」

「ですよねぇ」


1時間、いや2時間ほどであったか。そんな他愛のない昔話を続け、太陽が少し傾きかけて来た時、不意に白坂が立ち上がった。


「じゃ、僕はもう行きます。困ったらいつでも頼ってくれていいですよー」

「おう、またPCに不調が起きたら頼みに行くよ」


あんなに小さかった白坂が今も小さいが精神面ではあんなに成長していた。


時間がたつのは早いなぁ、と実感した春の一日であった。

やっぱり恋愛的な感情ってわかりませんねぇ。他の作者さんが羨ましいです。


まぁこの小説で恋愛描写が出てくるはずもないんですがね!

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