五十嵐迷宮研究所(2)
地下の実験室、というより体育館みたいな場所につく。衛生的な白い壁で囲まれており、研究所の中というよりも病院の中というイメージが沸き起こる。
「ここでいいのか?」
「ええ、問題ないです」
許可を貰うと、召喚陣を実験室の中心に置き、魔力を流し込んですぐに離れる。
召喚陣は紫色に輝いたかと思うと、その中から巨大なミミズの化物が吐き出される。頭がまるでハンマーで殴り潰されたかの如く陥没しており、その体からは生気が微塵も感じられない。
「……これ、県で指名手配されてる奴じゃないですか」
「え?」
「いや、これ出現してから10分くらい後に姿を消したって言われて指名手配されてたんですよ」
「……マジ?」
「マジマジ」
顔面が蒼白を通り越して歌舞伎役者もびっくりの白さになった。
「……この事についてはこっちから説明しておきますから安心してください」
「心の友よ……」
手をがしっと掴んで拝むように握手をする。どっちが年上か分かったものじゃないな。
「さて、買取金額についてですが……」
本題に唐突に突入である。
「1500でどうでしょう?」
「1700で」
勿論単位は万である。ついでに俺の現在の貯金は魔王討伐資金やら援助金やらをため込んでいるので軽く6億くらいはある。
「……1550」
「1600」
「1570」
「1600」
出せるギリギリ、というか適正料金で売りつける。
「……高くないっすか?」
「ばっきゃろう想定外進化形と蚯蚓系で珍しい炎の異常個体資質持ちだぞ?適正価格だ。出来ればあと300くらい上乗せしたかったがな」
この大きさの想定外進化形というだけで1000万は確定し、異常個体資質で500上乗せ、さらに属性の内容で+αが乗り、保存状態やらでさらに+される。
しかるべき場所にしかるべき手段で売れば2000万はつくだろうし、裏の方に流せば5000万いくかもしれない。
そういう意味ではこいつにサービスしている。魔王討伐の時に一番、二番くらいに仲が良かったからでもあるし、試験品やら実験品をこっちに実地試験という名目で無料で横流ししてくれている礼でもある。
「というかコレってどうやって使うの?」
「ミミズ系ですからねぇ……保温カバーとかカーペットとかですかね。繊維状に分解するのもいいかもしれません」
ぶっちゃけて言うが、ここ迷宮研究所と言う名だが、やっていることは企業の商品開発部と大差ない。それで得た資金で研究しているらしいが、大体の発明は商品を開発した時に出た発想やら方法である。
感想乞食と化している最近である。




