戦闘終了後
担ぎあげた生徒の肌触りに違和感を覚える。
「鉄みてぇに硬いと思ったら普通に柔らかいんだよなぁ……どうなってんだろ。コレ。神崎先生もそんな感じだけどさー」
戦闘時の感触はまるで鉄を殴ってるような感覚だったし、どうなんだろうなぁ。魔力の移動は感じられなかったし。
「まぁいいや。どっちにしろ倒せたんだし。原因分かったとして対処のしようもないしな」
保健室にはポーション等が大量に配備されており、とりあえずあそこ行けば大体の治療は出来る。噂だが裏に手術室まであるらしい。一体どんな怪我を想定しているんだ。
「失礼しまーす」
保健室の白いドアを開け、中に入ると、独特の消毒液のような臭いがツーンと鼻に来る。
「大分派手にやりましたねー。核爆撃するかと思ったらしなかったのは意外でしたけど」
草花先生がそんなことを言う。
「後処理面倒ですし?放射線とか大量にばら撒いて相手ぶち殺すためだけの兵器ですからねー。どうせあなた手伝ってくれないでしょ?」
「そりゃもちろん」
植物で一気に掃除機をかけるように放射線を吸い取ってくれれば非常にこちらとしては楽である。
放射線吸い取る植物ってなんだろうなぁ……
「とりあえずこいつら寝かしておいてくれ。八咫鏡直撃だから火傷程度だ。治るだろ。もし治らなかったらポーションでもぶっかけてくれ」
「了解よー。にしても巨神×死神って素敵じゃない?」
「ノンケだから分からん。そういうのは腐ったお友達としておいてくれ」
「ちぇー」
そういい捨て、保健室を退出し、職員室に移動する。
「先輩、派手にやりましたね」
「固有能力5人相手に事前準備一切無しで戦ったんだからそりゃ派手になるわ」
「ついでに前準備ありだったら?」
「ポーション大量に持ち込んでアーティファクト乱射かな?最悪グングニル生成しまくって投げまくるだけだ」
グングニル。いわゆる即死武器である。投げると確定で相手の心臓に突き刺さるとかいう武器である。ついでにほぼ使い捨てである。
「容赦ないっすねー」
「固有能力相手だぞ?つらいわ。お前みたいな極端な高火力とか撃てないし」
「いやいや、俺、高速詠唱系ですよ?本職の人達には敵いません」
「それでも錬金術よりは火力出るだろ?」
魔法使いは大別して二種類ある。一つは高速で魔法をばら撒く高速詠唱系。もう一つは火力を高めて高めて臨界点まで達した時点でぶっ放す多重詠唱系がある。
あと、たまにその両方を併せ持ったチートじみた奴がいる。それが高速多重詠唱系である。普通の呪文並の速度で多重の威力が飛んでくるんだからたまったものではない。
「先輩の魔王城戦で見せたアレに敵う魔法なんてありませんよ」
前田君がそう遠い目をして言ってくる。
魔王戦終盤、全世界に中継されている中で延々とわき続ける敵に俺はストレスがたまりまくっていた。そんな時、俺はアレをやったのだ。
超連続核爆撃。俺は地下に閉じこもり、まわりをアダマンタイトでコーティングし、ダンジョン内に無数の最新の核を召喚し、一斉に爆発させたのだ。おかげでダンジョンごと消滅してしまった。勇者とかは普通に生きてたけどな。魔王は消耗していたのか死んだ。とどめ刺したのが何気に俺なのである。
「アレ以上の攻撃力なんて必要ないだろ」
「まぁそうなんですけどね」
「じゃあ俺ポーション飲んでくる。久しぶりに神具生成したからな」
「はい、分かりましたー」
職員室の端のあたりにある扉を開け、階段を下っていく。にしても最近の高校生は化け物か。
結構つまずいた……




