第7話 記者会見2
記者代表が続けて質問した。
「では爆発につきましては、どういう見解でしょうか」
「はい、爆発に関しましては爆発炎上した車からプラスチック爆弾使用の痕跡が見られタイマーや携帯電話を流用した起爆装置の残骸が見つかっており、現在テロリストによる犯行も視野に入れた捜査を展開しています」
「では今回の爆発はテロリストの犯行との見解でしょうか」
「いいえ、現在に至りましてもテログループ等による犯行声明はございません。よって愉快犯が存在し個人で動いて犯行に及んだのではないかという線でも捜査している状況です」
記者がたたみかけた。
「普通、テロであれば何か重要な建物やイベント等が狙われますが
今回は早朝の田舎町、函館で起きた事件です。周辺に何か重要な人物などが居住、あるいは滞在していたのかなど情報はありますか」
「はい、現場周辺には何人かの外国人が滞在しており個人を狙った犯行の可能性も拭いきれません」
「では、お伺い致します、例の動画において現場上空にて存在していた光る飛行物体につきまして警察はどういう見解でしょうか」
「はい、動画に捏造疑惑がある以上、現場上空に浮かんでいたとされる飛行物体はCGによる嘘である可能性が高いというのが警察の見解であります」
「それは、わかりました、ですが私が現場周辺を取材したところ、住民による飛行物体の目撃証言が多数確認されました、警察はそのような目撃証言を精査されているのでしょうか」
「はい、現在、現場周辺の目撃証言につきましては情報を収集、調査中でございまして動画の真偽と証言に関しましては、再度結果報告の記者会見の場を設けますので、しばらくお待ちください。
なお飛行物体は複数のドローンの可能性もあります、ただし攻撃能力を備えたドローンとなりますと一個人で開発・製造は考えられない状況で
CG捏造、はたまたテロか個人かなど関係各省とも連携をとりまして情報収集致しておるのが現状であります」
「では南警察・副署長としての、ご意見は、いかがでしょうか」
「えー、現在、解っていることは、人的被害者が犠牲者はいないということのみで、いらぬ憶測は捜査の妨げにも成りかねません、よって、お伝え出来ることは以上です」
そうして立ち上がり深く一礼すると副署長以下は退出し
至極一方的に記者会見は終了したが記者たちの不満は函館の夜に大きな影を落とし始めていた。
「ちょっと待ってください、ちょっとおーっ!」
そして警察は目撃者たちに事の不気味さと重大さを説明して廻った。
後に興奮した様子で目撃証言をしていた者たちは一切何も語らなくなり、
もし語るならば、今度は自分たちの身の危険を心配しなくてはならないという心情が見え隠れしていた。
確かに地球製ドローンなどとは思えぬ飛行物体が十字街の上空で見たこともない破壊行為に及んでいたのだが、一体、どこの誰が、どこの国籍のものなのか・・・
そして、目撃証言と動画の真偽についての記者会見が二度と行われることは無く数週間が経ち事件の色は徐々に薄くなっていった。




