第7話 日本へ
博士と若き北条一行、家族ごと日本に居住する事を決定したのは
博士の母親が日本人だった事、経済面での心配が今後無くなった事、
博士へのラボと必要な人材提供が約束された事が大きかったが博士の心を動かしたのは紛れもないナムサン三人の存在だった。
博士たちは驚きの連続で、そのどれもが嬉しい物ばかりだった。
移住したのは博士の家族、奥さん娘さん息子さん。奥さんの御両親。
博士の母親だった。
驚いたのは引っ越し作業は北条のヘルパーが10名も居た事と移動がジャンプボックス・ルームを使用したことにより、ストレスなく一瞬で済んだことだった。
次に驚いたのは北条家の財力と、それに見合わぬ謙虚な姿勢、期待以上の施設と家族に対する気配りが最高レベルだった。
家族たちは温泉の浴場、住まいの快適さ食べ物がどれも自国で食したものより数段おいしく、安価で種類が豊富なことに目が回るようだった。
希望さえあれば、いつも北条の護衛兼ヘルパーがすぐに手配される。
博士たちには本人たちが気付かぬように位置情報が確認できる
『スタンプ』が肌に押されている。
肌色のインクなので違和感もない。
それはアガルタ・ナノテクノロジー発明の特殊インクが使用され
GPSの発信機も体内インプラントチップなども不使用で不便もストレスも無い、むしろアガルタ系移民の証明にもなる重要な印だった。
「北条君とりあえず私は何を始めればよいのかね」
「はぁ今のところ日本になじんでいただければ、そのうち忙しくなるかもしれませんし、今はのんびり休暇だと思って過ごしてください」
「いや、あまりの好待遇が反って不安になるくらいで、この後、まさか何か大変な事態に巻き込まれはしないかと怖いくらいです」
「なるほど、我々一族は正義の味方に徹しています。拍子抜けしますよ悪い事どころか博士には国際警察の肩書の元、ラボの中心人物になっていただきたいと考えています、それは神に選ばれたと言っても過言でない選任です。
地球人類の物理学者である博士に研究と発見をしてもらう事に意義があるのです」
「んーそうですか、まさかとは思いますが、その研究、量子力学の事ですか」
「それに、こだわるわけではないです。我々はすでに量子の世界を把握し始めていますので博士にはさらなる探求を自由になさって頂きたいのと、警察署内にラボがあるので難解な事件が発生した場合の解析など、お願いしたいと署長が希望しています」
「署長さんは、どんな方ですか」
「はぁ、それがちょっと説明しずらいのですが私の娘でして・・・」
「娘?君は妻帯者なのかね、だとしても若い君の年齢を考えると、何か変じゃないですか」
「はぁ、おっしゃる通りです娘は、まだ生まれていないし警察署も未完成です」
「何か事情があるのでしょうがサッパリ解りません」
「はぁ、それが未来から私の所に使者が来まして、ぜひ博士をお招きしなさいと指令を受けたのです」
「なに未来?冗談にしては、つまらないですな、しかし確かに宇宙人のような者たちが居ましたなぁ」
「はい、神の使いナムサンの三人です。私たち北条の守護神です」
「では、ゆっくりと最初から説明してください」
「はい、では、ゆっくりと…」




