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クロスタウン・アンノウン  作者: オブチアスマ
第2章 未来への挑戦

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第6話 博士 2

青年、北条一行はロバート博士のオフィスで引っ越しの手伝いをしていた。


 元気の無い博士に一行は日本語で色々と聞いてみた。

これからの事や御家族の事、博士の生きる目的などについても


「きみ、わたしの事など心配している場合なのかね、君はまだ若い、何だってできるさ」


「あははは、博士だってまだ若いですよ、ソレうちの親父が聞いたら僕の百倍、笑われますよアハハッ」


オフィスのドアがノックされた。

―コンコン

「|Yes, come in《はい、どうぞ》」


ドアが開けられると日本人の紳士が一人立っていた。

「失礼いたします、あ、一行様、お迎えに参りました」

「あーもう来ちゃった?」

一行は博士に自分の執事を紹介した。

「博士、この方は私のお手伝いさんで厳道といいます。

お見知りおき下さい。

厳じい、ロバート折口 博士だ、よろしく頼むよ」


厳道と博士が挨拶をしていると少し慌てた様子で

大学の経理係と学長もやって来た。

態度がおかしい・・・


いきなり英語でまくし立ててきたが語尾が馬鹿丁寧で気持ち悪かった。

「ロバートさん、こういう事なら、もっと早くいって欲しかったよ申し訳ない、大事な退職金を渡しに来ました、それと緊急理事会で研究経費の一部返還は不要と決定いたしました」


博士は退職金どころか経費の一部返還を求めれていたので

訳が分からない。


すると経理が書類にサインを求めてきた。

「すいません、こちらに・・・」

それは大層な額の退職金受領の書類で一秒でも早く渡そうと現金がずっしり入ったボストンバックを学長が抱えている。

他にも3つほどバックは台車に積まれていた。


 博士は事態が呑み込めないまま、ウインクする一行(かずゆき)に従い受け取りにサインした。


ボストンバックの一つを博士に手渡した学長が言う

「それではロバートさん、又、いつでも歓迎しますよ、それでは失礼いたします」

背中を向けた、そそくさと逃げる学長の後ろ頭を

軽く厳道が右手で叩いた。

「なにが|Excuse me, sir.《失礼いたします》だっ!」

―ペシッ!

「痛ッ、ひえぇー」廊下を走る学長。

笑う一行(かずゆき)。

「あはははははっ!」

博士はキョトンとしていた。

「これは、なんなんだ?北条くん」


「彼らは博士の発明で特許申請した後、石油王にその発明を売り渡したんですよ博士に内緒で。

莫大な金額を大学は得たにも関わらず、それがばれる前に博士を大学から追い出そうとしてたんですよ。

だから、告発してやると脅したんですよ我々が、

それに今日は博士の誕生日でしょ、サプライズです。

うひひひ、びっくりしましたか?」


「驚いたよ・・・発明とは何の事かな、我々とは?」


「ほら磁力と遠心力を応用した内燃機関と発電システムの永久エネルギーの・・・それと水素エンジンも」

「あぁアレか」

「だから、そのお金は堂々と受け取ればよいのです」

「そうか、これは・・・重くて持てんよ」

厳道が動く。

「それは私が他の荷物と車に、お持ちいたします」

「車?」

「はい博士の御家族、皆さまが、お待ちです」


大学の敷地に大型のバンが2台、豪華な送迎車が4台。

護衛の車が10台、空には無(・)音(・)の(・)ヘ(・)リ(・)も待機していた。


中でも驚いたのが、私服で現れた王室の者たちと一緒に

博士が一度だけパーティーで見かけた事のある

ケビン王子が居たことだった。


なんと北条一行と王子は親友だという。


大人しい日本人の受講生が実はものすごい日本の財閥御曹司と聞いても、まだ納得がいかなかったが


博士の目の前に無音ヘリコプターと

宇宙人グレイが3人、姿を見せると


博士は突然の出来事が現実だと実感し始め

人生初の言葉を叫んだ。


「ジーザスッ!!」


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