第5話 博士 1
「署長、博士たちは手が離せないそうです、10分後にラボまで来てほしいと、おっしゃっています」
「わかった行くよ」
「よろしくお願いします」
署長は今回の作戦にあたり一番気になっている敵の正体について
是非、博士の意見を聞きたいと前から相談していた。
10分経つと博士が署長室に、やって来た。
「あれ?今ラボに行こうと思ってたのに」
「あぁ署長、今、ナムサンの3人は何処かな?」
「ここに居るけど?」
「そうか、ナムサン、私にも見えるよう姿を現してくれないか」
「アイヨ」声がして署長の横に立っていたナムサン3人が透明人間いや
透明宇宙人モードを解除して姿を現した。
「あぁナムサン、私は今、混乱している、カオス・ドクターだ、アハハハハはぁーあはははっはあー・・・でも3人を見て少し落ち着いてきたよ、署長、ココアとかチョコレートはないかな、あると、うれしいんだが・・・」
「どうしたの博士、珍しいわね冷静さを欠くなんて、わかった甘い物すぐ手配するから」署長が内線でミキに色々と用意するように伝えた。
博士とは?時代をさかのぼる・・・
名前をロバート折口という。
彼はアメリカ人の父と日本人の母を持つ。
第二次世界大戦時、移民として時計職人をしていた日本人の娘が
博士の母親、信子だった。
家族は戦争の事など考えもせずアメリカに移住していたが
第二次世界大戦が始まると日本人は皆、強制収容所送りになった。
その収容所で、まだ子供だった信子とスティーブという少年が出会った。
それが後の博士の両親となる。
ロバート博士は子供のころから好奇心が旺盛で
『なぜ・なに?』が多い子供だった。
母親の信子はできる限りの知識で対応したが知性・知識に関しては
ロバートのIQが高すぎて彼がジュニア・ハイスクールの頃には
あらゆる分野で親を抜き出していた。
両親は我が子の優秀さを学校の先生に告げてみると
先生も同じ事を感じていて、すぐにサイエンス・アカデミー
特別学科取り扱い校を調べ、ハイスクールへ卒業を待たずして
大学への入学が許可され三年目に招待を受けてアメリカを離れケンブリッジ大学にて物理学と生物学の最先端研究員となり
教授の資格と博士号を取得する。
その頃、現地イギリスでオカルト学や神秘学と出会い、それらを科学的に解析、立証実験などを繰り返すうちに量子力学に傾倒しはじめ早い段階から今で云う、ヒモ理論や量子もつれ理論に可能性を見出そうとしていたが
当時の物理学者たちはアインシュタイン信望者のあつまりで
「神はサイコロをふらない」という合言葉の元に金と名声と権力を手にすることにエネルギーを消費していた。
「オカルトと物理学を混ぜたいなら他でやってくれ」
「科学者なら軽口は聞くな身を滅ぼすぞ」
「君の研究は金を稼げるのかね?」
見かねた友人たちも彼を応援したいとは思うが
自分たちの研究と生活でいっぱいだった。
「ロバート、君の言いたいことは解るが瞑想で得た悟りや魔法や並行宇宙、重力発生の仕組み、超ミクロの世界、無機物の意思や魂と生命の定義。
病気が消えたり、偶然という名のテレパシー現象を実験で証明できるのか?それまで幾日かかる?費用を出す大学が現れるほど甘くは無いぞ、家族はどうやって生活する?」
ロバート折口 博士は大学を去り、妻と子供たちを連れて
アメリカにでも戻るか、それとも母親の故郷である日本にでも行って大学講師の職でも探してみようかと力なく考えていた。
「あー結果や研究費、生活の心配をせずに宇宙について研究を進めたい・・・」
博士が無職になって進路が見えなくなった時、
大学で彼の講義を熱心に受けていた日本人青年がいた。
その日本人青年はオカルトと科学と神秘学と宇宙論混ぜて
地球という星の仕組みや存在意義について
ユニークな発想の持ち主たるロバート博士が大好きだった。
時は1980年代
その日本人青年の名前は北条一行という。
後に北条一凛の父親となる。




