第3話 ブラックメンとUFO
2026年5月5日
―ドン、ドン、ドドーン・・・・
朝方に重く響き渡る爆発音で目が覚めて
健一は何事かと二階の窓から表通りを確認すると歩道に二名、黒い服の人間が倒れており道路沿いの路上駐車の車が五台ほど
激しい煙と炎を上げ道沿いの建物の壁や窓が激しく破損しているのが見て取れた。
「うわっ、何?なにぃーっ!」
健一は急いで一階に降り玄関の鍵をあけて表に出ると向かいの靴屋の親父さんがスマホ片手に何処かに通報しているようだった。
「ケンちゃん、危ないから中に入って、中はいってっ」
靴屋の親父さんに促され店の中に戻った健一はTVを点け、とりあえず水かコーヒーでも飲もうかとして壁に目をやった時、変化に気がついた。
壁に飾られていたはずの散弾銃とグロックが綺麗になくなっていた。
『まさか、表の騒ぎに関係ないよな・・・
だとしたって預かってた武器が失くなったとなったら
色々面倒だし仮に関係あったとしたら・・・
俺、逮捕されて・・・
あぁ、どっちにしたってナンカやばいんじゃないの、
これ俺どうなっちゃうの・・・
店の玄関の鍵は確かに掛かっていたし、
一体いつ壁の武器失くなったのかな・・・
これで俺の一生終わりかよぉー・・・』
店の外には警察や消防が集結しはじめて表の通りは南警察により封鎖され周辺には非常線が張られている様子だった。
凄惨な外の景色を眺めていると昨日までの平和な日々が嘘のようだ。
健一は、これで、もしかしたら刑務所に入ってしまうのかと喫茶店の二代目マスターになったことを心底、後悔していた。
壁にあった銃器のことなど知ったことかと思っていたのに、この土地も建物も名義は自分だし壁には、まだ一丁スミスが残っている、やっぱり銃刀法違反、拳銃不法所持で刑務所行きは決まったようなものだ。
まして先ほど見た通りには二人ほど倒れていた人間がいた。
『あれ、まさか此処にあった銃で撃たれたなんて言わないよな・・・』
ぐるぐると考えれば考えるほど悪い事しか思いつかない。
店の外ではパトカーのサイレンや消防のサイレンが激しく行きかい人々の喧騒や怒鳴り声が聞こえている。
健一は店の一階TVでニュース速報を空っぽの頭で眺めていると
店先に南警察の一凜署長と部下が二人ドアをノックしてきた。
「早く開けなさい!!」
ふらふらと健一が鍵を開けるが早いか署長は健一に手錠をかけ逃げられないように部下の森刑事に健一を託すと店のカウンターの上を片付けだした。
「アガルタロック!」署長が言うと建物の天井から機械の作動するような音がした。
――ゴン・・・ギューーーン・・・・
「森、健一をその辺につないで、林は外を見張って、誰も中に入れるんじゃないよ」
「了解しました」と林刑事は玄関前に出た。
手錠を掛けられた健一が茫然とふたりの様子を見ていると森刑事が特殊警棒を取り出し店カウンターの板を下から、がんがん叩き上げ持ち上げだした。
「よっ、よいしょ」
隙間に警棒を差込、バリバリと音を立てテコの原理で長いカウンター板は斜めに上がった。
カウンターの下には空間があり健一が覗き込むと映画で見るような手榴弾が10個程、ヘッケラーのマシンガンが2丁とグロックが4丁そして何が入っているのか銀色のケースが1個ほか見たことのない拳銃やナイフなど武器がぎっしりとカウンターの内部に入っていた。
「使ってないわ元に戻して、そこの木工ボンドでしっかり塞いで」
一凜署長が確認して森刑事に命令した。
「了解です」
健一は、それを見て完全に自分は終わったと思うと自然涙が滲んできて手錠で繋がれた両手にカチャカチャと震えが来た。
その時、流れっぱなしのTVで
「新しい情報です」アナウンサーが話だした。
「今朝、函館十字街で起きた爆発事故につきまして、新しい情報が入りました。
まず、こちらの映像をご覧下さい。」
その映像は見慣れた十字街が写っており撮影者が興奮した様子で空に光る数体の飛行物体を撮影しており、やがて地面の方からレーザー光線の様な光が飛行物体に向けて発射され
それに反応した飛行物体が地面に向け、やはりレーザー光線のようなものを発射し地面にあった車を次々に爆破して近くの建物の屋根や壁を吹き飛ばしていた。
車のそばにいた二人の黒い人間も吹き飛ばされ倒れ込んだところに
光る飛行物体からレーザーのような光が発射され黒い服の二人に直撃しているところで映像は切れていた。
「ご覧頂きました映像は事故現場周辺から撮影されたもののようで先ほどネット動画サイトにアップロードされたものですが現在この映像は既にネットからは削除されております」
健一は何が何だかわからなくなり極度のストレスからか目の前が真っ暗になってしゃがみこみ気を失った。
そして気を失う寸前に一凜署長が
「くっそ、遅かったか」と言ったように・・・聞こえた・・・




