第3話 地下の達人
北条武器製造所の新発明、振動ブレードは改良が常にされており強力な武器ではあるが
扱いに慣れないものには怪我の元、事故死の元、適性検査も行われ本能的に刃物が苦手な人間には扱いの許可が出なかった。
許可はシュミレーション用の安全な模造刀で試験を受け、自分で自分を傷つける、味方に注意せず謝って刺したり、切ったり同士打ちをする者が多くシュミレーションで失格したものには触ることも許されなかった。
剣道では努力で強くなる者が居るが、こればかりは生まれつきの精神性のような、まるで遺伝子の違いのセンスを発揮する者が現れる。
あのタイムスリップしてきた北条の侍たちだ。
敵の存在を見定め、心の動きを感覚的に察知する能力、そして、それに反応し、しなやかに力強く正確に刀を自分の手足のように操る肉体と技が必要不可欠だった。
署長の命令で戒道が刀の師範となり階級や所属に関わらず、望むものたちに試験を行い合格者が本格的に修行に励みだした。
それは警察署の地下施設で行われ心構え、流儀が教え込まれ、基本のカタはあるが慣れた者から自分のやり易いように練習が始まると、同士打ちや事故で怪我人が出始めた。
戒道の気合が響き渡る
「貴様らぁー、気合が足りんのだぁー集中しろ馬鹿者!全集中だぁーっ!」
普段はメカニックとして地下・整備班の連中は静かだったが整備班の15人、全員が刀を面白がって
「俺たちにも支給して欲しい」と申し出て、戒道の立会いのもと我流で、おかしなカタで地面を切ったり不意を打つように電磁弾を発射したりと遊びとも修練とも呼べるような時間を勝手に過ごすようになった。
彼らはシュミレーション時から刀を逆手に持ったり刀での破損防止加工済みの鞘を事故防止に左手に持ち右手で対象物を切断したり、連続でプラズマ弾を刃先から発射する刀の動きを考えたりしていて戒道を感心させた。
整備班は署内で別名「馬方」と呼ばれており、整備班長は「親方」
とあだ名されていた。
「お前たち、なんだか遊んでいるうちに技を身に付けるなんざぁ忍者みたいな集団だな、楽しそうで羨ましいよ」戒道は整備班に一目置いていた。
彼ら整備班の人間を選出、警察行政職員としてスカウトしたのはナムサンと厳道だった。ただの整備係ではなさそうだし、そもそも、この時代の人間たちではなかった、鎌倉時代から連れてきた忍者だとはナムサン・厳道と一凜以外は知らないことだった。




