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クロスタウン・アンノウン  作者: オブチアスマ
第1章 北条財閥と国際函館南警察

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第12話 北条一・国際貿易1

 第二次世界大戦中、北条一凜(ほうじょうかずり)署長の祖父は、かつて満州国に出兵していた。


名前を【北条一(ほうじょうはじめ)】と言う。

階級は陸軍中佐で作戦参謀の一員。

主に財政管理を任されていた。


 満州事変の後、やがて日本が敗戦国となり即座にソ連軍が満州に向けて進行してきた頃、只一人いち早く帰国準備していた北条の手元には金の延棒がごっそり乳母車(うばぐるま)に隠されていた。


「日本は負ける」


ドイツの科学者より北条一は

化学・物理学に基づいたオッペンハイマーの兵器的おとぎ話を早い段階で教えられており日本の軍部にも報告していて

中国の頼りない鉄道を主に脱出計画を立て

奉天から鞍山、大連から旅順の道筋に脱出のための中国人協力者を作っていた。


小さなイザコザこそ数回あったが南部式拳銃の威力でかわし

中国人に変装して、ひっそりと鉄道と馬車を使っての移動が主だった。

中国・ソ連軍に見つかることもなく

中佐の特権により金塊を難なく帰国船に乗せて日本へ脱出。


傲慢な日本帝国・陸軍人の根拠のない虚言は罪深く

対、中国・ロシア前線で食べ物も弾薬もない日本軍の上官も部下も満州の仲間も


 皆、死んだ。


 そして戦況により日本の僻地(へきち)に降り立った北条一は軍の金塊とともに行方不明となった。


金塊をのこぎりで小さくし幾許(いくばく)かの現金に変えて

日本の未来と自分自身の未来を考えては答えを出せずにいた北条の前に

突然、大日本帝国陸軍の元・部下を名乗る宇宙人グレイ三人が現れた。


名前は【ナ・ム・サン】とそれぞれ名乗った。


三人の異形の者は北条一に対し

「いま手元に有る金塊を百倍でも千倍でもしてみせる」

言うが早いか

北海道苫小牧のアイヌの地にあった掘っ立て小屋いっぱいに金塊を手品のごとく増やしてみせた。


 神々の住まう地下帝国『アガルタ』から来た三人には

情報のダビングやコピー・クローンなど、

お手の物のテクノロジーがあって錬金術は造作もない作業だった。


「我ら三人は1945年にソ連軍の手により捕虜となった大日本帝国軍人だ。

そして捕虜収容所に向かう列車から三人で飛び降り

脱走してシベリアの見知らぬ森で迷いながら逃げる途中

いきなり戦場に飛び出してしまい未知の戦闘に巻き込まれ瀕死の重傷を負った時に善意あるアガルタの使者に救われ現在がある」と言う。


シベリアで戦闘した未知の敵は『月の使者』で対抗は北極圏地下帝国アガルタの神々

そして瀕死の三人に、ある提案がなされた。


「死にたくなければ、このグレイの体に魂ごと入れ」と


月の宇宙人に銃撃され元の体はもう持たない、ならば魂ごと、このグレイと呼ばれる人工生命体に入れとアガルタの神々が三人の大日本帝国軍人脱走兵に道を示した。


 死んでしまうと、あの世からお迎えが来てしまう。


本当はアガルタのテクノロジーで人間の体を時間をかけて修復することは充分可能だった。


 後に「人間の体に入れ替わっても良い」アガルタの住人たちに

人型・日本人タイプのアンドロイドに魂の入れ替え提案されたが


なんと脱走兵三人は思いもよらない運命とグレイが月で経験した記憶やテクノロジー・タイムスリップ等の知識も同時に手に入れたのを気に入ってしまい


「俺たち、このままでいいです」


ナ・ム・サンの三人がアガルタの神々をニヤリとさせたのは意外な展開だった。


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