第11話 宇宙人ナ・ム・サン 2
目の前の光景が、まだ信じられない健一はグラスを持つグレイの手元を見つめて観察を始めた、長い親指に長い人差し指など合計4本の指があった。
ムー「そんなにジロジロ見るんじゃないよ、なぁサクラ」
ナー「誰がサクラだ」
サン「まぁ最初は珍しいさ俺たちだって最初はビビったもんさ」
3人は実に流暢な日本語で外見以外は人間と話しているようだ。
するとムーさんが言った。
「俺たちは神の使いだ」
笑顔のミキが言う。
「ンフフッあいかわらず愉快な3人ね」
健一が口を開いた
「あ、あのー、い、イメージではグレイのボディだったんですけど服着てるんですねブーツも履いてるし」
すると端のムーさんが口の中のチャーハンを飲み込んで言う
「あのね原始人じゃないんだから当たり前でしょ、それにこれは服じゃなくて多目的ボディスーツと呼んでもらおう、なぁサクラ」と言った途端に
真ん中のナーさんが
「チッ」舌打ちをしてキレて左手をムーさんの顔の前に持っていくと、どういう仕組みか
―バチッと火花をちらした。
「あっちいぃっ!あっついべや、てめぇなにしやがる」
ムーさんが怒って立ち上がるとナーさんも立ち上がって言った。
「あのな、何見たのか知らねぇけど手前がいちいち、
さも俺は今、面白いモノマネしてます、みてぇなするたんびに
イラッとすんだよこっちわあー俺はサクラじゃねぇ!」
「かてぇ事いうなよ、そんなナーさん、きぐしねくて、やんだオラ」
今度は身をクネクネしてムーさんがナーさんを挑発するかのようにしなだれかかった
「このっまだ言うか!」
健一には仕組みが解らないなりに、このグレイ宇宙人には何かしら
人類の知りえない「超能力」がありそうなのは一目瞭然だった。
そして、この黒い多目的ボディスーツが放射線に対する防護服であることは、なんら説明されなかった。
ふたりは取っ組み合いになり床に転がり込むと、お互い柔道技の掛け合いのようになった。
「うぐっこのぉー」
「なにおーっ、このこの!」
すると取っ組み合いを横目にサンさんが健一に話しかけた。
「健一、面白いだろ、この二人。この間なんか絞め技の掛け合いで30分も固まって二人共動けなくなったんだから・・・アホだな」
「アハハハハハっ」
ミキは爆笑していて署長が二人を止めに入った。
「はいはい、もうわかったから、ピザ冷めちゃうわよ、ほれパスタも食べなさい」
食べ物を横目で見ながら取っ組み合いになっていた二人はさっと離れるとピザとパスタに、すごい勢いで食いついた。
「いやんや、たくさんあるから・・・ゆっくり食べなさいな」
「うまい、うまい」暴れ食いの三人
「お、おう、いつも悪いな姫様」3人のグレイは、どこか懐かしいような人間味のある暖かい空気に包まれた宇宙人だった。
本来、グレイは物を食べない。
この三人は発っての願いでアガルタの住人に頼み込み
地球人類のように「食べる」事を希望した「飢えた人間魂」を入魂した改造型の特殊なグレイ三人だった。
そして食べることにより持ち得る力を強めることも可能だった。
健一が口を開いた。
「署長、この3人のグレイさん、どんな国の言葉も、こんな感じで上手く話すんですか・・・」
「あー、このナムサンは特別、3人とも元大日本帝国の軍人だったから」
「えーっ日本軍人?・・・」
「わけわかんないでしょ、だから今日、時間かけて説明するから
わからないことは、その都度質問して、それじゃ、まず、この薬飲んで」
署長は透明なカプセルを健一に飲めという。
「頭の良くなる薬で害はないから理解力と記憶力が増す薬よ」
カプセルの差し出された手のひらは美しく指は細く、ひ弱な印象さえあった。
サンが言う
「署長、その長い話の間、俺たち3人、二階の健一の部屋でTVゲームやってていいかな」
ナーさん
「いや俺はゲームより、ここで映画・盲目の市、見たいんだけど・・・」
「いいけどグレイ宇宙人がTVゲームするの?」
「やりますよ普通に。あのゾンビがいっぱい、なだれ込んで襲って来るやつあるか健一?」二階を指差す。
「Zかな?あー多分あります」
健一は、あわてて作り笑顔。
ナーさんは喫茶店内で一杯やりながら日本映画を見始め。
ムーさんとサンさん2人は二階に移動して一凜署長が順序建てて話を始めた。




