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妖魔と共に見る景色  作者: てぃたいむ
第1章 ムネーモシュネー
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帰り道、


「じゃあ私とアレンはここで」

「またね。和乃ちゃん、夜端」

「うん。また明日」

「バイバイ」


ミィは何者なのか。

ミィの過去には何があったのか。


それ以外にも聞きたいことがある。

だから話そう。

ミィと2人で。


「ところで夜端」

「ん?」

「気づいてる?」

「…あぁ。妖魔の気配が現れたと思ったら直ぐに消えるを繰り返してるな」


4人で帰ってるときからそれが続いる…

キオクの仲間か?


「おそらく声聞こえているよね」

「うん。聞こえてるだろうね」

「聞こえてるなら、ここに来なよ」


私たちはどの方向から来てもいいように、背中合わせになり構えた。


「来ないの?」


気配が消えた……?


「来ないのか?いつでも来なよ……」

「はい。来たよ」

「「!?!?」」


なぜ?

私たちはどこから来てもいいように構えていたはずなのに……

こいつは目の前に現れた。


どういうことだ?


「あれ?せっかく来たのに反応薄いね」

「……目的は?」

「うーん…。敵情視察みたいな感じ」


見た目は中学生くらいの見た目か。


「キオクの関係者か?」

「癪だけど、そうだよ」

「そうか……それじゃあ、情報吐いてけよ」


私と夜端は同時に拳を繰り出した。

拳には手応えがある。


「……嘘でしょ?」

「まじ…?」


手応えの正体は夜端の拳だったのだ。


「どうしたの?仲間割れ?それとも、不意打ちかつ至近距離で拳外したのかな?」

「こいつ……」


あれは避けられる要素がどこにもないパンチだった。

それなのに避けられた……

もしかして、こいつも原初姫?


「じゃあ、私は逃げるね。バイバイ!!」

「え?」


理解するのが遅れた。

彼女が逃げたのだ。


おそらく、相当の実力者なはずなのに逃げるとは……


「追いかけよう!」

「うん」


私たちは走り出した。

それにしても……


「夜端の拳、やけに痛いわね」

「僕には特別な力があるからね。……それがない和乃はなんでピンピンしてるの?」

「いや、ほんとは痛いよ。でも、お姉ちゃん程じゃないし……とりあえず平気だった」

「和乃のお姉様にお会いしてみたいね」


今は追いかけるのに集中しなきゃ。

まだ、ギリギリ追いつけている。


いゃ、遊ばれてるな。

舐めやがって……1回ひっぱたく。


「あいつ、倉庫に入ってったぞ」


もう使われていない倉庫に入っていった。


「罠じゃない?」

「罠だとしても、このチャンス逃せない」


行こう。

あいつに情報を吐かせるんだ。


「人や妖魔の気配は無い。今がチャンスだ」

「うん。行こう」


錆びて重たくなっているドアに手をかけた。

中に光が入っていく。


「誰かいるのか?」

「誰も…いない?」


おかしい。

気配が1つもない。


さっきのやつはの気配は……


「うわぁ!!?」

「夜端!?」


一体何があったの!?


「どうしたの!?返事して……」


ガシャン


ドアが閉まる音がした。


誰かがいる。

なのに、誰の気配もない。


「夜端!!どこにいるの!?」

「どこなのぉぉ!夜端ぁぁ!?」

「誰っ!?」

「どうも……」


同時に電気がつき、顔が見える。

その顔は何回か見た。

覚えている。


「キオクちゃんだよぉ♪」

「キオク!!」


ここにいるのはキオクだけじゃなかった。

見える限りだと50人くらいいるか?


「よぉ、和乃。元気してたか?」

「私がいない学校は楽しかった?」


安藤兄と安藤がそう話しかけてくる。


そうか。

私は嵌められたのか。


「キオク、何が目的なの?」

「何って、どういうこと?」

「私を狙う理由は何?」

「うーん… 本当は言わない方がいいけどさ、ヒントあげる!!」


さぁ、どんな情報をくれるの?


「私達には奪いたいものがある。それは明確な記憶と冷静な脳。わかった?」


なんの話だ?

さっぱり分からない。


私は少し右にずれた。

すると、そこにはバットが振り下ろされた。


「良けれるのかぁ。仕留めるつもりだったのになぁ」

「邪魔をしないで安藤兄」

「安藤兄って言い方面白いね」


私は次々と来る攻撃を避ける。

でも、避けても避けても攻撃はやまない。


そんなん50人くらいいるんだから当然だって?

違う。

この攻撃は安藤兄1人だけのものだ。

今まで簡単に倒せていた相手がめちゃくちゃ強くなっていたのだ。


「おかしい!こんな短期間で強くなれるはずがない!」

「お前は今どんな気持ちだ!!?」


安藤兄がバットを振り下ろした。


今だ!


私は腕をチョップし、バットを落とした。

左手の裏拳を顔に直撃させ、そのまま右手でこめかみを掌底打ちした。


「いっっってぇぇえなぁぁあ!!!」


これでも意識を失わないの!?

なんでだよ!?


「答えてあげよう。ここにいる50人全員に私は血を1滴あげたんだ」

「血?」

「知ってる?妖魔の血は、肉は、体内に取り込めば強くなるんだよ」


妖魔にまだこんな能力があったなんて……


「だけどね、摂取しすぎるとね、心臓が早くなりすぎて弾けちゃうんだ」


なるほど。

だから1滴か。


それにしても、強くなりすぎだろ。


「ここからは50対1だ。和乃ちゃん」

「…クソ」


一撃目をうける。

すぐに二撃目がくる。

三撃目、四撃と続く内に避けられなくなる。


ただ、体に痛みを感じる。

その痛みは段々と強くなっていく。


いや、なくなっていく。

おそらく感覚が麻痺し始めたのだろう。


あぁ、こんなところ来なければ良かったな。

アレンはまだ話したいことが。

すみれはスポーツで決着がついてない。次はサッカーって言ってたっけ?

夜端は……無事かな?


こんなところに夜端を連れてきたことは間違いだったな。


はぁ。

こんなところで死んじゃうのか。


『死は報い。今までの業が返ってきただけ』


あの人の言葉が蘇ってくる。

これも報いか。


今まで人を助けてこなかった。


もし、今まで人と信頼関係を築けていれば、助けてくれる人…いたのかな?


それでも、だとしても……誰か助けて欲しい。

誰か来て……

お願いします。

私はいいから、私のことはいいから夜端を助けて。


「誰も助けに来ない。残念だね」


何かがへこむ音がする。


「君は悲しいね」


何がにヒビが入る音がする。


「ところでキオクさん。さっきからしてる変な音何?」

「……どうしてここがわかった」

「キオクさん?」

「私は結界をはっていたのに……なぜだ!?」


ひょっとしたらこの戦場をひっくり返してくれるかもしれない。

そんなことを思ってしまうくらい……

完璧なタイミングだった。


「あんたの結界なんて簡単に見破れるよ、キオク」


天井に大きな穴があき、1つの人影が現れる。


「さぁ、終わらせようか」

「ミィ…」


敵多き戦場に現れるは謎多き妖魔であった。

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