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妖魔と共に見る景色  作者: てぃたいむ
第1章 ムネーモシュネー
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崩れ、壊れ、砕ける

やっと主人公視点に戻りますね。さぁ、そろそろ第1章もフィナーレですね。

今日はいないのか。


いつもならこの歩道橋にいる安藤兄がいなかった。


学校につき、安藤もいないことに気づいた。

誰かに殺されたのかな?

それとも傷が痛むのか?


どちらにしてもどうでもいい。

逆にいない方が助かる。


授業はいつも通りに進んだ。


昼休み、私はみんなに会いに行った。


「和乃ちゃん!!」

「和乃!!」

「和乃…」

「みんなどうしてそんなに驚いてるの?」


アレンは喜び、

すみれは安堵、

夜端は…どこか申し訳なさそうだった。


「だって和乃ちゃん、前はとっても苦しそうな顔で行っちゃったからさ!悩みがあるなら僕たちにね!!」

「和乃、バスケ部入りなよ。そしたら私がそばにいるからさ」


2人とも…

その優しさは2人のいいところだよ。


「和乃、大事な話だ。真剣に聞いてくれないか?」

「何?どうしたの?」

「俺は見たんだ。お前がいじめられているのを」

「「「!?」」」


え?見られてたの…


私だけじゃなく、2人も驚いていた。


「和乃ちゃんが…いじめを?」

「嘘でしょ」

「本当だよ。夜端の言う通り。でも、もう辛くないから、大丈夫だ…」

「俺は、キオクという女と戦った」

「?」


誰だ?キオク?聞いたことがない。

でも、おそらくあいつだ。

安藤関連になると出てくるあの妖魔だ。

あの女…キオクっていうんだ。


「僕は負けたよ。あの女の攻撃はとても痛かった。苦しかった。辛かったんだ」

「…そう。大丈夫なの?傷とかは?」

「大丈夫だよ。それより、僕は殴られただけだ。けど、君はただ殴られただけじゃない。安藤達にいじめられて、抵抗したらあいつに殴られる…想像を超えるくらい辛かっただろうに」


違う。私は辛くない。


「和乃ちゃん。ごめんね気づいてあげられなくて…本当にごめん。苦しかったはずなのに助けてあげられなくて」


ちがう。私は苦しくない。


「和乃…本当は悲しいんでしょ?本当にごめんね。こんなになるまで気づいてあげられなくて」


チガウ。私は悲しくない。


「もう、平気だか…ら。だっ、大丈夫だよ」

「嘘。辛いのは、苦しいのは、悲しいのは、吐き出していいんだよ」


私は…


「僕らに言ってよ。なんせ友達なんだから。いや、親友なんだからさ」


わたしは、ワタシは、


「和乃、自分に正直になっていいんだよ。今までだってそうだ。氷の女王なんて言われてたけどさ、本当は友達が欲しかったんでしょ。それも含めてさ、言っていいんだよ」


言うんだ私。

もう大丈夫だって。

なんにも怖くないんだって。

そう言うだけ。

簡単でしょ。

さぁ、私は、


「辛かった、苦しかった、悲しかった、寂しかった、怖かった、助けて欲しかった。誰かに助けて欲しかったんだよぉぉ!!」


なんで?

これは私の言いたい言葉じゃない。


「ここでは誰も止めたりしない。泣いていいんだよ。」


アレン…


「そうだよ。人にはその権利がある。和乃にもあるんだよ」


すみれ…


「これからは、僕らがいるよ」


夜端…

みんなは…


みんなは、


「みんなは優しすぎるよぉぉ!!!」


これが本当の私だ。

弱くて誰かに助けて貰えないと生きていけない。

そんな弱い存在だ。


今までは強くあろうとしてきた。

泣かないようにしてきた。


でも、そんな私はたった今崩れ、壊れ、砕けた。

その中にあったのは泣き続ける小さな子供。


いつまでも泣き続ける私のそばに3人ともそばにいてくれた。


授業が始まっても、ずっと。

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