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妖魔と共に見る景色  作者: てぃたいむ
第1章 ムネーモシュネー
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続く夜

兄さんは普通の人だった。


でも……ある日を境に変わった。急に人間とは思えない気配、恐怖を感じるようになった。

平然と人を殺せるような…

そんな気配が。


魔力の使い方は兄さんに教わった。

まぁ、兄さんは魔力も僕の何十倍もあったし、色んなことができた。


僕は身体を強化するくらいしか出来ない。


羨ましいよ。


僕が言いたいのはそこじゃない。

今目の前に現れた女性の気配のことだ。


兄さんからは人間とは違うプレッシャーが、人を平気で殺せるような気配がした。


こいつも同じような気配がした。


「罪悪感で引きこもってるんじゃなかったの?ココロ」

「あんたこそ、あいつなんかについて行く変わり者のくせに。キオク」


この2人からはただならぬ気配を感じるんだ。


特にココロと呼ばれている方は、


「その前に、和乃さんの数少ない大事なご友人だ。守らなきゃね」


今和乃って言ったか!?


「もしかして、和乃の事知ってま…」

「ごめんね、夜端くん」


僕の意識はここで途絶えた。



~ミィ視点~


夜端くんには悪いけど、これ以上会話を聞かれる訳にはいかないからね。


少し眠ってもらうよ。


「で、なんで今更あんたみたいな原初姫を降りて、主様にひっついているひっつき虫が動き出したの?復讐?」

「違うよ。そんなくだらないことに生を割くなんてもったいない。娯楽だよ、娯楽」


娯楽ね。

確かにキオクならやりかねない。

わざわざ原初姫を降りてまで『あいつ』について行ったあのキオクなら。


でもね。

だとしたらもっと許せない。


「なら、その娯楽のために和乃さんを傷つけたのか?」


和乃さんは今、心が不安定な状態にある。

いつ壊れてもおかしくない、

そんな状態だ。


私は全ての生命の感情と心が読める。


でも、和乃さんの心は負の感情がグルグルグルグル絡み合っていて、よく分からない。


それは怒りか、

それは悲しみか、

それは苦しみか、


本当に分からない。


そんなになってしまった原因は間違えなくこいつにある。


「結構面白いんだよ」

「そうか…」


決めた。


殺す。

私はこいつを殺す。

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