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妖魔と共に見る景色  作者: てぃたいむ
第1章 ムネーモシュネー
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渦巻く『負』

あれから1週間くらい経った。


私は相変わらずいじめと言うものを受けている。


でも、可愛いものだ。

ジュースを買ってこさせたり、掃除をさせたりするぐらいだ。


後は、イライラするとか言って殴ってくる時があるけど…


正直に言う。

全く痛くない。


強がりや、虚勢を張っている訳では無い。

ただただ痛くないのだ。


本当に相手が体力を無くすだけ。

意味が無い。


本当の暴力はこんなものじゃない。

こんな痛みじゃない。


今の話が関係しているかは分からないけど、ある話をさせてもらう。


私は今心の中に何かが渦巻いている。

それが怒りか、それが苦しみかは分からない。

でも、とてもモヤモヤする。


なんでか分からない。

でも、モヤモヤするものはモヤモヤするのだ。


「よぉ。和乃」

「…懲りないね。私がそんなに好きなの?」


今私に話しかけているのは安藤兄だ。

あれから毎日突っかかってくる。

正直めんどくさい。

しかも、日に日に人数が増えていくのだ。

今は10人いる。


「好きって言ったら、つきまとってもいいのか?」

「余計近寄らないで欲しい。と思う」

「だろうな」


話しかけてこないで欲しい。

まだ、モヤモヤが取れていない。


「お前はいいよな。力を持っているからな。絶対に苦労しないだろうな」

「…何が言いたい?」

「お前に悩みはなさそうだなと思ってな。そろそろか。やれ」


安藤兄は手下の1人に命令した。

即座に動き、殴りかかってくる。


もしかしたら、私の心のモヤモヤは怒りだったのかもしれない。


なぜなら、

私は全力で殴り返していた。

安藤兄の言葉にイライラしたのかは分からない。

でも、今の言葉に多少なりとも怒りを感じていたのかもしれない。


今までは重症にならないように手を抜いていた。

だが今は、殺しても構わないと思えてしまう。


いつもなら聞こえる断末魔も聞こえない。

いつもなら見える起き上がろうとする努力もみられない。


私は全てを刈りとる一撃を食らわせた。


焦りながらも私に殴りかかってくる男たちがいた。


でも、私は焦らない。


1人は襟を両手でつかみ、膝で肋を蹴る。


1人は拳を避け、肘で背骨打った。


1人は拳を受け止め、腕をありえない方向に曲げた。


やり方は違うが共通点がある。

全て、骨が折れる音がした。


だが、私は折れない。

私は曲がらない。


他の奴らも変わらない。

同じように攻撃し、同じように骨を折る。


気付けば安藤兄と私しか立っていなかった。


「まっ、待て!話をしよう!話し合えばわかる!頼むよ…なんてな!!」


不意打ちをするように私に殴りかかってきた。


それは不意打ちではない。

私は不意に殴られそうになったわけじゃない。

殴られることがわかっている。


だから、油断していない。


私はその腕をつかみ、投げた。


安藤兄は尻もちをついて、痛そうにしている。


さらに、肩を蹴り仰向けにさせる。

私はその上に跨り、何度も顔を殴る。


とても人を殴る時になる音とは思えない音がなっている。

それでも私は気にしない。


ただ何度も、何度も殴り続ける。

殴り続ける。

何度も何度も。


それでも…

それでも、心のモヤモヤは晴れない。


気付けば安藤兄は気絶していた。

拳には赤い血がついている。


心のモヤモヤは晴れない。

でも、ひとつわかった。


このモヤモヤは負の感情だ。

ただただ生み出される、負の感情だと

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