動き出す
久しぶりに夢を見た。
姉さんに武術を習っている時の夢を。
消して敵わない、絶対に勝てない。
それは分かったていた。
だけど、勝ちたいと思い努力したな…
そんな夢は終わり目を覚ました。
「あ!起きた!!よかった和乃。校門の前で倒れてたらしくて心配したよ」
「夜端…。ごめんね心配かけて」
「なんで傷だらけで?」
言えない。
今の夜端の言葉で確信した。
この出来事には妖魔が関係している。
私はみんなが登校する時間に家を出た。
だからあの歩道橋から意識を失った私を運ぶのに人目につかないはずがないんだ。
だから確信する。
これは妖魔が関係している。
何も関係ない夜端を巻き込む訳には行かないよね…
「実は自分でも覚えてないんだよね。多分最近よくある不審者かなんかでしょ」
「だとしても!いや、だとしたら尚更心配だよ」
「うん。ごめん。心配かけて。これからは気をつけるよ」
それよりもあいつはなんで私を知ってるんだろう?
そして、なんで狙うんだろう?
分からないことが多すぎる。
でも、これ以上手を出して来ないなら争う必要は無い。
「教室に行こう、夜端」
「…うん」
私が目を覚ましたのは3時間目の授業が始まる前だった。
アレンとすみれに心配されたけど、笑って誤魔化しておいた。
今日は先生達の会議で半日なのでみんな帰ることになっている。
だが、私は用事があるから学校に残っている。
私は静かなはずな教室のドアを開ける。
そこにはいじめっ子4人がいる。
「何か用?」
私は机に髪が入っていたので読んだら、『授業が終わったら教室に来い』と書いてあった。
「あ、やっと来たね」
「待たすなよ」
「用がないなら帰るけど?」
「まぁまぁそう言わずに…ねっ!」
安藤とか言うやつが殴りかかってきた。
私は当然片手で止めて、全力で握った。
「痛い!!やめて!!」
「先に仕掛けたのはそっちでしょ?」
「まちな、これ以上やめた方がいい和乃。あんたの大切な人が傷つくところは見たくないでしょ?」
何を言っているの?
こいつは今大切な人を傷つけるって言ったの?
「どういうことだ?」
「どういうことも何も、あんたが抵抗したらターゲットがすみれになるだけだけど」
「私がそれを許すとも?」
「確かに止められるかもしれない。だけど、あんたがいない時だったら?トイレに行っている時だったら?私達はどこでも構わず攻撃する。強いて言うならいじめかな?」
「卑怯だな」
「結構よ」
クソだ。
本当にこの世界はクソの集まりだ。
「まずは、ごめんなさいって言いながら土下座してもらおうかしら」
「…ごめんなさい」
こんなふうに弱みを作ったら人は死んでいく。
私は『友達』という『弱み』を『集団』という『クソ』に握られた。
それでも、だとしても私は守る。
私の、
私の大切な人を




