024 異能者
(青井静視点)
私は青井家の次女である。
天帝高校の教頭をしている。
青井家は、国内で三大派閥と言われていて他には赤城家と黄家が存在する。
青井家は、主にサービス業と教育機関を支配している。
現職の校長である柿原も長女の夫である。
久々に編入する為の面接試験を受けにくる学生が現れた。
面接試験を受けた時点で援助金が入金されるので、もしも面接まで行ってくれれば、今月は教員にボーナスが支給されるだろう。
警備員から連絡があり、対象の生徒が来たようだ。
急いで会いに行くと、一見女子のような可愛らしい男子が来ていた。
保護者がいない?
通常であれば、保護者が同伴して校長と取引をして編入が決まるの筈だが?
保護者がいない事を不審に思って最終確認をした。
「私は、この高校の教頭をしている青井静です。天帝高校で編入の事例は過去に2回しかありません。これは編入するには、数億円の援助金と援助後に受ける面接に受からなければならないからです。落ちれば援助金が無駄になります。いまなら戻れますが、面接を受けますか?」
「たいした額でもないので問題ないです」
「……そ、そうですか? わかりました、その扉の向こうへお入りください」
たいした額ではない?
青井家の次女の私でも想像出来ない回答が返ってきた。
驚いた事を表情に出さないで、面接会場へ案内をした。
これで援助金は入金されるので、思わず顔がほころんだ。
しかし、前回は保護者と校長の取引が上手くいかないで面接を受ける為の援助金を回収するだけだったが、その保護者がいないのだから編入はないだろうと予測した。
予想通り、試験時間の1時間以内に試験会場から生徒が出てきた。
時計を見て苦笑いしてしまった。
「1時間、持ちませんでしたね。お疲れ様です結果は後日連絡しますので、お疲れ様でした」
生徒が帰った後にしばらくして、校長に呼び出さた。
いま彼が受けた試験の採点を依頼された。
模範解答と生徒の回答を持って、教頭室で採点をしたがありえない事実を突きつけられる。
ミスが無いのだ。
どの問題もパーフェクト、いや、それ以上の回答が綺麗な字で書かれている。
まさか、三大派閥に属する人間が持っている特殊技能を持っているの?
三大派閥の青井家、赤城家、黄家は、天帝高校の御三家と言われていて子供たちは必ず異能を一つ持っている。
私の異能は瞬間記憶力である。
一度見たことは忘れないと言う異能だが、やなことも忘れられないので精神的に病んで入院してしまった前例から、この学校の教頭までの立場にしかなれなかった。
点数の買い取りはなかったが、この成績では編入は確定だろう。
天帝高校のルールは絶対であり、誰かが口添えや権力を行使してもこのルールは変わらない。
御三家以外から、トップクラスに編入する生徒が現れるとは想像もしていなかった。
彼の異能は、なんなのか? ただ頭が良い天才なのか?
今後、この生徒が編入してきたら大きな騒ぎが発生する予感が止まらない。
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