表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1000年ぶりの勇者と魔王 〜魔法が使えなかった少年は"世界初のスキル"で覚醒する〜  作者: 土田土


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
18/33

第十七話:最強の魔物vs魔王

ウォーロードの巨体が、黒い魔力に押し潰されるように沈んだ。

石畳が割れ、地面が波打つ。


もう動かない。

完全に戦闘不能。


だがノアはそれを見下ろしもしない。

瞳は黒く濁り、呼吸は荒く、

自我は完全に消えていた。


ゆっくりと、アリアとリオラの方へ歩き出す。


一歩ごとに地面が沈む。

空気が裂ける。


アリアさんの顔が一瞬で蒼白になる。


「ノアくん……?

やめて……来ないで……!」


リオラはノアの魔力を見て、

背筋が凍りついた。


「……これは……魔王の魔力だ……

このままじゃ私たち、殺される……!」


ノアは聞いていない。

ただ歩く。

ただ“破壊の衝動”だけで動いている。


黒い魔力が渦を巻き、

アリアとリオラの身体を押し潰すように迫る。


「くっ……!

近づけん……!

魔力の圧が強すぎる……!」


ノアが手を上げる。

その動きはゆっくりなのに、

“死”が迫るような重さがあった。


アリアさんの喉が震える。


(……殺される……

ノアくんに……)


リオラが叫ぶ。


「ノア!!やめろ!!

そのままじゃ……お前が壊れる!!」


ノアは振り返らない。

ただ、破壊の衝動だけで動いていた。


黒い魔力が爆ぜ、

アリアとリオラの身体を押し潰そうとした――


その瞬間。


空気が“凍った”。


黒い霧が裂け、

そこに一人の影が立った。


「――そこまでだ」


ネクロマンサーだった。


ノアの魔力が影を押し潰そうとする。

だが、影は微動だにしない。


「暴走魔力か。

1000年ぶりだな」


ノアが叫び、

黒い魔力を爆ぜさせる。


地面が割れ、空気が歪む。

世界が揺れる。


ネクロマンサーは一歩踏み出し、

ノアの魔力の流れを“指先でいなした”。


ノアが拳を振るう。

魔力が空気を裂き、衝撃が走る。


だがネクロマンサーは手のひらを軽く返し、

その魔力を逸らす。


ノアが魔力を爆発させる。

地面が崩れ、瓦礫が舞う。


ネクロマンサーは動かない。

ただ、ノアの魔力を吸収するように受け流す。


「暴走しているだけだ。

本来の力じゃない」


ノアが叫び、

黒い魔力が暴走し、

世界が黒く染まる。


ネクロマンサーはノアの首元に手を当てた。


「眠れ」


ノアの身体が痙攣し、

膝が折れ、

そのまま意識が闇に沈んだ。


アリアさんが叫ぶ。


「ノアくん!!」


ネクロマンサーは静かにノアを地面へ横たえ、

アリアとリオラを見た。


「魔王の力に飲まれるのであれば――世界が滅びるぞ。」


アリアが息を呑む。


ネクロマンサーは続けた。


「勇者の力もまた然り。

どちらも“世界を壊す力”だ。」


黒い霧が足元に広がる。


「選べ。

救うか、滅ぼすか。

その境界に立つのは……あの少年だ。」


霧が彼の身体を包む。


「――覚悟を決めておけ。」


ネクロマンサーはそのまま霧とともに消えた。


アリアは震える手でノアに触れ、

リオラは唇を噛みしめた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ