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二人暮らしのユメとミオ  作者: 黒猫の凜


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5/7

ユメの生活③ お出かけしよう♪

天気は晴れ。

ほどよく風も吹いてて、絶好のお出かけ日和である。


ここら辺で一番大きなショッピングモールまでは、電車で2〜3駅だ。

ミオは人混みが苦手なので、開店時間に合わせて朝一で行くことにした。



……



電車に乗ると、隣に座ったミオをチラリと視界に入れる——



(やっぱりだ……)



この半年、ミオを観察してきた私はある事に気がついた。

ミオは、季節毎に2〜3種類の服を着回している。

しかも、どれも黒か灰色だ。


同居を始めてから新しい服が増えたことは一度もなかった。

なので、今日はミオに服を選んであげたいなと密かに思っているのだ。



学生時代のミオの服は、もうちょっとバリエーションがあった気もするのだけど…

社会人になってからは、段々と私服から色が無くなってしまった。

きっと、仕事が忙しくて服屋さんに行く元気がなかったのだろう。


まぁ、黒い服で固めたミオも、これはこれでカッコいいんだけどね。



……



ショッピングモールに着くと、広々とした空間に思わず両手を広げた——

開店直後だからか、お客さんもまばらだ。



「…恥ずかしいから、手降ろしてくれる?」


「あ、ゴメン…!えっと〜、ほらあそこ!ベビーカステラのお店来てるよ。あとで買って帰る?」


「…いらない。前にユメが買ってきたのも微妙だったし。」


「そお…?中にクリームが入ってて美味しかった気がするけど。」


「…あれ、生焼けだから中がドロっとしてただけだよ。クリームじゃない。」


「そうだったの…?!でも美味しかったけどな〜。」


「…まぁ、食べたければ買って帰ればいいよ。」


「うん、帰りに考えようかな。…あ、ちょっと見てきていい?」



他愛のない話の中、めぼしい服屋さんを視界に捉える。

ベビーカステラのことは端に置いて、お目当ての服を物色しに向かった——



……



お店の雰囲気は良さげで、種類も豊富だった。

この中から、ミオに似合いそうなものを見てみよう——



…とはいえ、これほど難しい問題もない。


ミオは美人さんだけど…

はっきり言って、流行りのアイテムが似合うタイプではない。


いや、もしかすると…

わたしが見慣れてないだけで、実は花柄とかも似合うのかな…?



……



——結局、最近の流行りから渋めのアイテムまで一通り目を通したが…

あまり手応えはなかった。


選んであげたい気持ちが強かったけど…

ちょっと妥協して、ミオの意見も聞いてみようと思い、店の外に目を向ける———




(うん…いない。)




ま…まぁそんな気はしてたけどね。

ミオのことだから、興味のあるお店に向かったか、ベンチで休んでるかのどちらかだろう。


(それでも、どこに行くか一声かけてくれてもよかったのに……)


別に怒ってるわけではない。

でも、せっかく一緒に来たのに…



……



軽くため息をつき、辺りを見渡す——

近くのお店にミオの姿は無いようだ。


仕方なくスマホを取り出すと——

タイミング良くメッセージが届いた。




『2階のベンチ』




なんて簡素なメッセージだろうか…


それでも、思わず笑みがこぼれてしまう。

ちゃんとわたしの事を気にしてくれてると分かったからかもしれない。



不思議と、肩の力が抜けてくる…

今日は、思ってたより前のめりになっちゃってたかも。


置いていかれたというのに、2階に向かう足取りは軽かった。

きっとミオは、角のベンチでスマホゲームでもしているのだろう。


合流したら、どんな服が欲しいか聞いてみようかな…?


せっかく2人で来たんだし、

ちゃんと今日の目的を伝えなきゃね。

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