ユメの生活② ルールは守ってる…はず!
今日も朝早くから、ミオの部屋は電気が点いている。
廊下側から見ると、扉の端から光が漏れているのですぐ分かるのだ。
初めのうちは、朝からゲームなんて疲れないかなと心配してたけど…
最近はもう慣れてきて、電気が点いてるのを見ると、今日もちゃんと起きてるなと安心するようになった。
……
半年前——
わたしとミオは、一緒に暮らすにあたって、いくつかのルールを決めた。
・相手の部屋に勝手に入らない
・家事は分担する
・同居していて嫌なことがあればちゃんと言う
多分、こんな感じだった。
紙に書いて貼っているわけではないので、はっきりとは覚えていない。
けど、半年間大丈夫だったのだから、きっと合っているはずだ。
“相手の部屋に勝手に入らない”
これについては、一度だけ揉めたことがある。
ミオの部屋を掃除しようとして止められたのだ。
その時は、
“掃除くらいいいじゃん!”
“ミオの為なのに…!”
と思っていた。
でも月日が経つにつれて、自室はミオにとってすごく大切な場所なんだと分かってきた。
なので、今となっては少し申し訳なかったと反省している。
最近のミオは、わざわざ私がいる時に扉を開けて掃除機やコロコロをかけている。
自分で掃除してるから大丈夫だよ〜というアピールなんだろうけど、なんとも愛らしい。
家事の分担も、初めは半々にしていたのだけれど…
どう考えてもミオの方が仕事が忙しいし、わたしは暇な時間が多かったので、少しずつ家事を引き受けるようになった。
ミオは、半々から変える時はすごく申し訳なさそうだった。
その時は、“いいから、わたしにやらせて!”と強引に押し切った気がする。
そう思うと、最近は素直に甘えてくれてるということだろうか…?
……
朝食の準備が終わる頃になると、ミオが部屋から出てくる。
少し凝っているのか、首をぐるぐる回していた。
「おはよ〜、ミオ!疲れてない?」
「うん、おはよう。いつも通りだよ。」
(それって、いつも疲れてるってことなのでは…?)
そんな疑問が浮かんだけど、口には出さなかった。
声のトーンからして、大丈夫そうだと感じたからかもしれない。
いつも通りなら、多分良いってことだ…
そう思いながら食卓についたけど、目の前にはさっそく“いつも通り”ではない姿があった。
今日のミオは席につくと、卓上をじっと見つめてなにやら思案している。
声をかけるべきか悩んでいると、ミオは軽く顔をあげてこちらに目線を向けた——
「……いつもありがとね。」
「え、なにー?どうしたの??今日は機嫌良いね。」
「……別に。いただきます。」
「はい、いただきます♪」
急にどうしたのだろう…?
昨日のやり取りを、まだ少し気にしていたのだろうか?
なんにせよ、機嫌が良さそうでよかった。
今日はこのあと、久しぶりに2人でショッピングモールまでお出かけする予定だ。
せっかくなんだから、お互いに楽しみたいもんね。




