第九十八話 「地下要塞のロボット作業員」
ノーマッド地下拠点・深夜。
地下要塞はまだ動いていた。
大型サーバー。
物流回線。
違法通信。
ドローン整備。
全部が静かに稼働している。
その中を。
小型ロボット作業員たちが、
せわしなく動き回っていた。
コンテナ運搬。
床清掃。
弁当補充。
工具管理。
完全に秘密基地の管理AIだった。
レンは呆然とする。
「……なんだこの地下都市」
《EYES》が解析。
《地下作業支援ロボ》
ノーマッド物流改造型
⸻
用途
* 運搬
* 修理
* 清掃
* 弾薬管理
* 違法通信補助
「弾薬管理!?」
その瞬間。
バン!
バン!
バン!
地下へ銃声が響く。
「うわぁ!?」
レンが飛び上がる。
射撃場区画。
黒犬が、
普通に違法自動小銃を試射していた。
黒コート。
戦術ゴーグル。
完全に傭兵。
「何してんだよ!?」
黒犬は淡々と言う。
「調整」
「物騒ぉ!!」
コメント欄爆笑。
《地下要塞すぎる》
《急にFPS》
《黒犬平常運転》
その時。
ハヤトが缶コーヒーを投げてよこした。
「お前にこれ来てたぞ」
レンが受け取る。
画面を見た瞬間。
「……え?」
そこには。
《深圳ネットランナー職業訓練高等専門課程》
オンライン教材接続通知
レンが固まる。
「マジで届いた……」
藍華が覗き込む。
「始まるんだ」
ハヤトはニヤつく。
「ちょうどいい」
指差した先。
地下奥。
大量サーバーが並ぶ部屋。
冷却蒸気。
ネオン配線。
超高速通信回線。
《SERVER ROOM》
完全に未来空間。
レンが引く。
「いや何この本格設備」
ハヤトは笑う。
「使え」
「ネットランナー育成は環境が命だ」
《EYES》が解析。
《サーバールーム》
元ヨコヅナ級高速通信設備
⸻
深圳直通回線確認
⸻
AI演算補助可能
「ガチすぎる!!」
コメント欄爆発。
《教育環境最強》
《地下学校》
《フィクサー万能》
その時。
美玲がレンを見る。
「頑張れ」
「軽いな!?」
「でもレン」
赤い瞳が少し笑う。
「ネットランナー向いてると思う」
レンは少し黙る。
今までは、
ただ巻き込まれていた。
でも。
もし本当に。
《EYES》を扱えて、
感情市場へ潜れるなら。
LUXとも。
ヨコヅナとも。
戦えるかもしれない。
その時。
《EYES》が静かに表示した。
《適性判定》
朝霧レン
『ネットランナー適性:高』




