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『NEO横浜電脳租界 〜違法感情AIと美少女配信者〜』  作者: 神代零


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第八十七話 「フィクサーの隠れ家」

 池袋北環状区・外縁高速道路。


 朝焼けネオンが、

 徐々に薄れていく。


 高層広告塔。


 監視ドローン。


 巨大スクリーン。


 それらが減るにつれて、

 都市の色も変わっていった。


「……池袋にもこんな場所あるんだな」


 レンは車窓を見ながら呟く。


 運転しているのは九条ハヤト。


 ボロい大型バン。


 だが内部は異常だった。


 通信端末。


 違法回線。


 企業盗聴装置。


 配信市場モニター。


 完全に移動型フィクサー基地。


 《EYES》が解析する。


《車両識別》


ノーマッド改造車両



特徴


* 電波偽装

* 感情波遮断

* 監視回避塗装

* 違法高速通信機能


「いや盛りすぎだろこの車」


 ハヤトが笑う。


「池袋じゃ普通だ」


「嘘つけ」


 その時。


 美玲が窓の外を見ていた。


 ネオン都市の外側。


 廃工場。


 積み上がったコンテナ。


 巨大物流道路。


 そこには。


 移動都市みたいな集落が広がっていた。


「……これ」


 藍華が小さく言う。


「ノーマッド居住区」


 レンは目を見開く。


 大型トレーラー。


 移動住宅。


 改造バイク。


 コンテナハウス。


 人々は、

 都市へ所属していない。


 国家でもない。


 企業でもない。


 ただ。


 移動しながら生きている。


 《EYES》が表示する。


《ノーマッド》


“都市へ属さない自由民”



主産業


* 違法物流

* 密輸

* データ輸送

* 逃亡支援


「完全にサイバーパンク世界だ……」


 その時。


 ハヤトが車を止めた。


「着いたぞ」


 レンが外を見る。


 そこにあったのは。


 巨大コンテナを改造した、

 三階建て違法住居だった。


 ネオン看板。


 違法アンテナ。


 ドローン発着台。


 そして。


 入口には雑な文字。


『九条運送(仮)』


「(仮)ってなんだよ」


 ハヤトは真顔。


「まだ正式名決めてない」


「適当すぎる!!」


 コメント欄爆笑。


《フィクサー雑》

《でも住みたい》

《秘密基地感ある》


 その時。


 入口のシャッターが開く。


 中はさらに異常だった。


 大量モニター。


 市場情報。


 企業通信。


 違法サーバー。


 配信分析AI。


 そして。


 奥には普通に生活感。


 ソファ。


 冷蔵庫。


 山積みカップ麺。


 レンは呆然とする。


「……なんだここ」


 ハヤトが笑った。


「フィクサーの隠れ家」


 その時。


 美玲がソファへ座る。


「落ち着く」


「順応早いな!?」


 だが。


 確かにここは妙だった。


 池袋のネオン戦場と違う。


 少しだけ。


 “帰れる場所”みたいだった。


 その時。


 《EYES》が警告を出す。


『外部大型通信接続』


 ハヤトの顔から笑みが消える。


「……もう来たか」


 空中モニターへ、

 巨大な企業紋章が映し出される。


《YOKOZUNA NETWORK》


 レンが固まる。


「うわ」


「本当にラスボス来た……」

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