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『NEO横浜電脳租界 〜違法感情AIと美少女配信者〜』  作者: 神代零


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第八十六話 「帰ってきたフィクサー」

 ガギィィン!!


 美玲の配信用カメラ棒と、

 LUX忍者ブレードが激突する。


 火花。


 ネオン。


 朝焼け。


 完全にサイバーパンク映画だった。


「だからなんでカメラ棒で戦えるんだよ!!」


 レンが叫ぶ。


 コメント欄爆発。


《もう武器だろそれ》

《配信機材万能説》

《MAY-LIN強すぎ》


 その時。


 黒犬が忍者を蹴り飛ばす。


 ドォン!!


 義体忍者が壁へ叩きつけられる。


 だが。


 相手も異常に強い。


 すぐに体勢を立て直す。


「数が増えるぞ」


 黒犬が低く言う。


 《EYES》が警告を出す。


『LUX追加反応接近』


「うわ最悪!!」


 その瞬間だった。


「よぉーし戻ったぞー」


 のんきな声。


 全員が振り向く。


 九条ハヤトだった。


 両手に大量のコンビニ袋。


 しかも。


 普通に弁当買ってきていた。


 レンの脳が止まる。


「……は?」


 ハヤトは袋を掲げる。


「企業交渉終わった」


「あと飯買ってきた」


「なんでだよぉぉぉ!!」


 コメント欄大爆笑。


《帰ってきたwww》

《弁当www》

《いい奴なのか!?》


 ハヤトは真面目な顔で言った。


「企業交渉と情報は鮮度が命だ」


 その瞬間。


 ハヤトの端末へ、

 大量の企業ロゴが流れる。


* 裏市場連絡

* 感情市場変動

* LUX監視情報

* ノーマッド通信


 レンが目を見開く。


「……お前」


「逃げてたんじゃなくて」


「仕事してたのか?」


 ハヤトはニヤつく。


「フィクサー舐めんな」


「戦うだけじゃ」


「クルーは生き残れねぇ」


 その時。


 LUX忍者が再び動く。


 だが。


 ハヤトは端末を操作した。


 瞬間。


 周囲のネオン広告が一斉点灯。


 違法AR広告が暴走する。


《池袋激安祭》


《感情回復ドリンク99円》


「なんだこれ!?」


 LUX忍者の視界へ、

 広告ノイズが大量侵入する。


 《EYES》が解析。


『都市広告網ハッキング』


「広告で妨害してる!?」


 ハヤトは肩を竦める。


「池袋じゃ」


「広告も武器だ」


 その隙に。


 黒犬が低く言う。


「撤退するぞ」


 美玲も頷く。


 流石に、

 ここでLUX本隊と全面戦争は危険。


 その時。


 ハヤトが言った。


「とりあえず」


「池袋郊外のノーマッド縄張りに行く」


 レンが聞き返す。


「ノーマッド?」


 《EYES》が表示。


《ノーマッド》


移動生活型自由民


* 国境外輸送

* 違法物流

* 移動拠点生活

* 非国家圏コミュニティ


 ハヤトは続ける。


「そこに俺の部屋がある」


「監視薄い」


「LUXも追いにくい」


 藍華が少し驚く。


「……ガチの隠れ家じゃん」


 ハヤトは笑う。


「フィクサーは逃げ道作るのが仕事だ」


 レンは数秒黙った。


 そして。


「……ちょっとだけ見直した」


 ハヤトが親指を立てる。


「惚れるなよ」


「それはない!!」


 朝焼けの池袋。


 ネオン都市。


 そして。


 レンたちの“クルー”は、

 少しずつ形になり始めていた。

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