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『NEO横浜電脳租界 〜違法感情AIと美少女配信者〜』  作者: 神代零


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第八十五話 「逃げるフィクサー」

 ドォン!!


 黒い影が、

 池袋のネオン路地へ着地する。


 LUXマーク。


 黒装束。


 義肢強化。


 無音駆動。


 完全に人間離れした動き。


 《EYES》が警告を出す。


『コーポレート忍者確認』


『LUX特殊執行部隊』


「うわぁぁ……」


 レンの顔が引きつる。


「本当に来た……!」


 黒犬は静かに戦術棍を展開した。


 ガシャン!!


 電磁ロック解除。


「下がれレン」


 藍華もドローンを展開。


 美玲の赤いUIが起動する。


《MAY-LIN LIVE》


 空気が一気に戦闘モードへ変わる。


 だが。


 その時だった。


「じゃ、後よろしく」


 九条ハヤトが、

 普通に後ろを向いた。


 レンが固まる。


「……え?」


 ハヤトはネオン路地へ歩き始める。


「いやぁ」


「企業忍者は流石に専門外でさ」


「帰るわ」


 沈黙。


 レンの脳が数秒止まる。


「……は?」


 黒犬ですら一瞬止まった。


 藍華が呆れる。


「最低だこのフィクサー」


 だが。


 ハヤトは本気だった。


「いやいや」


「フィクサーってのは」


「生き残る仕事だから」


 そして。


 親指を立てる。


「頑張れ若者たち」


「逃げるなぁぁぁぁ!!」


 レンの絶叫が響く。


「欠点がデカ過ぎるだろぉぉぉ!!」


 コメント欄爆発。


《逃げたwww》

《フィクサー最低》

《でもリアル》


 その瞬間。


 LUX忍者が動いた。


 シュン!!


 高速移動。


 一瞬でレンの目の前。


「速っ!?」


 《EYES》が追尾演算を開始。


『反応速度:危険域』


 だが。


 美玲が前へ出る。


 赤い龍UI。


 八卦掌の歩法。


 流れるような回避。


 ガギィィン!!


 配信用カメラ棒が、

 忍者ブレードを受け止めた。


 火花。


 ネオン。


 朝焼け。


 美玲が静かに笑う。


「配信中なんだけど」


 コメント欄爆発。


《強すぎ》

《カメラ棒で受けるな》

《ソロ・テッキー》


 その時。


 黒犬が横から突撃。


 戦術棍が唸る。


「レン!」


「お、おう!」


 《EYES》起動。


 青白いUI。


 レンは必死に敵動作を解析する。


 だが。


 後ろを見ると。


 九条ハヤトは、

 本当に逃げていた。


「マジで逃げてるぅぅぅ!!」

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