表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『NEO横浜電脳租界 〜違法感情AIと美少女配信者〜』  作者: 神代零


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/315

第八十二話 「監視都市」

 池袋上空。


 LUXの巨大ホログラムが、

 朝焼け空へ浮かんでいた。


 青白い企業UI。


 冷たい管理光。


 その中心で。


 白凛雪バイ・リンシュエが、

 無機質な瞳で《MAY-LIN》を見ている。


『観測対象M-01』


『監査継続』


 レンは顔をしかめた。


「だからその呼び方やめろよ……」


 だが。


 白凛雪は反応しない。


 まるで。


 感情そのものを切り離したみたいだった。


 《EYES》が分析を出す。


『対象感情波:極端低値』


『高次感情制御処理痕確認』


「……なんだこれ」


 レンは小さく呟く。


「感情が薄すぎる」


 その時。


 美玲が静かに言った。


「白凛雪は」


「LUX本部直属プロキシ」


 空気が少し重くなる。


「感情を削ってるタイプ」


 レンは眉をひそめた。


「削る?」


 美玲は頷く。


「Emotion Crash防止のために」


「感情抑制処理をしてる」


 レンは嫌な顔をした。


「それ人間なのか……?」


 白凛雪が初めて少しだけ反応した。


『感情はノイズです』


『社会運営に不要な揺らぎは制御されるべき』


 藍華が小さく舌打ちする。


「うわぁ、完全コーポレート思想」


 その時。


 池袋の大型スクリーンへ、

 新しいニュースが流れ始めた。



《速報》


MAY-LIN現象


各国政府共同監視開始


感情市場変動率過去最大


東アジアAI市場急変動



「うわぁぁ……」


 レンは頭を抱えた。


「本当に国家案件になってる……」


 《EYES》がさらに通知を出す。


『MAY-LIN関連市場影響』


* 配信株急騰

* 感情広告市場変動

* 感情安定薬売上増加

* LUX株価下落


「株まで動いてんの!?」


 藍華が苦笑する。


「今のMAY-LIN」


「もう一人の配信者じゃないから」


 その時。


 白凛雪が静かに告げる。


『現在』


『東アジアヨコヅナ層があなたへ注目しています』


 空気が変わった。


 レンが反応する。


「ヨコヅナ……?」


 《EYES》が表示。


《YOKOZUNA》


東アジア超巨大市場支配層



国家を超える資本階級



感情市場・AI市場・配信市場統制者



 レンの顔が引きつる。


「ラスボス層じゃねぇか……」


 美玲も少しだけ真顔になった。


 その反応を見て、

 レンは気づく。


 この名前。


 美玲でも無視できない。


 白凛雪は続ける。


『MAY-LIN』


『あなたは既に』


『市場現象です』


 朝焼けの池袋。


 ネオン都市。


 その中心で。


 世界最大級配信者は、

 ついに“人間の枠”を超え始めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ