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『NEO横浜電脳租界 〜違法感情AIと美少女配信者〜』  作者: 神代零


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第六十八話 「池袋感情コア」

『ようこそ』


『池袋の本音へ』


 《JOKER》の声が、

 感情海全体へ響いた。


 ドクン。


 ドクン。


 巨大な感情コアが脈打つ。


 赤黒い海。


 怒号。


 歓声。


 炎上コメント。


 全部が、

 一つの巨大感情へ溶けていた。


 レンは息を呑む。


「……これ全部」


「池袋の感情かよ」


 《EYES》が解析を続ける。


『高密度感情圧縮空間』


『承認欲求・依存・攻撃性増幅』


「最悪すぎる……」


 その時。


 感情海の表面から、

 無数の顔が浮かび上がる。


「見てくれ」

「俺を見ろ」

「バズらせろ」

「数字をくれ」


 全部。


 叫びだった。


 レンは寒気を覚える。


 これは。


 ただのSNSじゃない。


 人間の孤独そのものだ。


 その時。


 美玲が静かに言った。


「……寂しいんだよ」


「え?」


 赤い瞳が感情海を見る。


「みんな」


「繋がりたくて暴れてる」


 レンは言葉を失う。


 美玲は知っている。


 世界最大の配信者だから。


 “見られたい感情”を。


 その瞬間。


 感情コアが脈動。


 ドォン!!


 赤黒い波が襲いかかる。


 レンの視界へ、

 大量の感情が流れ込んだ。


 炎上快感。


 承認依存。


 恐怖。


 孤独。


 吐き気がする。


「うっ……!」


 《EYES》が警告を連打。


『人格汚染危険域』


『Emotion Crash侵食開始』


 その時。


 美玲がレンの手を掴む。


「レン!」


 赤い光が流れ込む。


 暖かい。


 感情海の中で、

 それだけが現実だった。


「……あ」


 《EYES》が少し安定する。


『外部感情同期補助確認』


 レンは息を整える。


「助かった……」


 美玲は少し笑った。


「婚約者なんだから」


 コメント欄爆発。


《そのタイミング!?》

《尊い》

《感情海でイチャつくな》


「世界が自由すぎる!!」


 だが次の瞬間。


 感情海が裂けた。


 巨大な赤黒い人影が現れる。


 ノイズの塊。


 無数のコメント。


 無数の顔。


 そして。


 中心には、

 《JOKER》の赤い瞳。


『《MAY-LIN》』


 感情怪物が笑う。


『お前も同じだろ?』


『人の感情を食って生きてる』


 空気が止まる。


 レンは美玲を見る。


 彼女は黙っていた。


 《JOKER》は続ける。


『世界中の感情を繋いで』


『数字を集めて』


『熱狂を食ってる』


 赤黒い海が脈動する。


『だったら』


 巨大な瞳が開く。


『俺達と何が違う?』

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