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『NEO横浜電脳租界 〜違法感情AIと美少女配信者〜』  作者: 神代零


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第六十二話 「感情同期制限解除」

『参加者同士の感情同期制限解除』


 《JOKER》の告知が、

 池袋全域へ響いていた。


 赤黒いネオン。


 違法AR広告。


 熱狂する観客。


 だが。


 レンの背筋だけが冷えていた。


「……制限解除ってなんだよ」


 藍華が険しい顔で答える。


「普通の炎上祭は」


「感情同期の上限が決まってる」


「暴走防止?」


「そう」


 だが。


 《NOISE》は小さく呟く。


「今年は違う」


 青白い瞳が、

 池袋の空を見上げる。


「感情暴走しても止まらない」


 《EYES》が警告。


『Emotion Crash危険度上昇』


 レンは舌打ちした。


「つまり」


「視聴者ごとサイバーサイコシス化するってことかよ……!」


 その時。


 《JOKER》が笑った。


『熱狂ってさ』


『安全圏から見てるだけじゃ弱いんだよ』


 違法ドローン群が一斉発光。


 池袋中のスクリーンが切り替わる。


《池袋炎上祭》

《SYNC LIMIT OFF》


 観客が歓声を上げる。


《うおおおお!!》

《今年ヤバい!!》

《限界突破!!》


 レンは寒気を覚えた。


 この街。


 熱狂そのものへ依存してる。


 その時。


 隣の美玲が静かに言った。


「レン」


「ん?」


「今から忙しくなるよ」


 赤い瞳がネオンを映す。


「池袋の感情市場」


「本気で暴走する」


 その瞬間。


 遠くのビル街で爆発。


 ドォン!!


 悲鳴。


 歓声。


 同時に、

 大量の配信通知が飛ぶ。


《危険誘発系ライブ開始》

《暴走エリア配信》

《炎上祭エントリー》


 《EYES》が処理しきれないほど通知を流す。


『Emotion Crash反応増加』


「うわっ……!」


 レンが顔をしかめる。


 街全体の感情波形が乱れていた。


 怒り。


 興奮。


 恐怖。


 依存。


 全部が混ざっている。


 その時。


 《NOISE》がレンを見る。


「……見える?」


「え?」


「感情ノイズ」


 レンは目を見開いた。


 《EYES》越しに見る池袋は、

 もう普通の都市じゃなかった。


 空中に、

 赤黒い感情波が渦巻いている。


 まるで都市全体が、

 巨大な脳みそみたいだった。


「……なんだよこれ」


「池袋の本性」


 《NOISE》は眠そうに言う。


「みんな繋がりすぎてる」


 その瞬間。


 《JOKER》が両手を広げた。


『さぁ』


 ネオンが狂ったように点滅する。


『一番ヤバい配信者を決めようぜ』


 歓声が爆発する。


 池袋炎上祭。


 開始まで残り――


『00:00:10』

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