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『NEO横浜電脳租界 〜違法感情AIと美少女配信者〜』  作者: 神代零


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第六十一話 「ノイズ少女」

《池袋炎上祭 開始まで》


『23:59:12』


 巨大カウントダウンが、

 池袋の夜空へ浮かんでいた。


 赤黒いネオン。


 違法AR。


 狂ったみたいな歓声。


 北環状区全体が、

 巨大ライブ会場になっている。


《始まる!!》

《72時間祭!!》

《寝れねぇ!!》


 コメント欄は既に限界突破していた。


 レンは頭痛を感じる。


「この街ずっとテンションおかしいな……」


「池袋だし」


 藍華が平然と言う。


 もう慣れてるらしい。


 その時。


 レンの隣にいた黒髪少女が、

 空を見上げたまま呟く。


「……今年はもっと壊れる」


「え?」


 少女はゆっくり振り返る。


 眠そうな目。


 だが。


 瞳の奥だけが異様に冷たい。


「《JOKER》」


「去年より危ない」


 《EYES》が反応。


『感情異常検知』


 レンは眉をひそめた。


「お前、何者なんだ?」


 少女は少し黙って。


 そして。


「……《NOISE》」


 池袋のネオンが揺れる。


 コメント欄が一瞬止まった。


《NOISE!?》

《マジ!?》

《池袋最悪のハッカー!!》


 レンが固まる。


「有名人なの!?」


 藍華の顔が引きつった。


「かなり」


「池袋トップ層じゃねぇか!!」


 少女――《NOISE》は、

 面倒そうにフードを被り直した。


「……別に有名になりたくない」


 その瞬間。


 周囲の違法スクリーンが一斉ノイズ化。


 バチバチッ!!


 池袋中の映像が乱れる。


《MAY-LIN LIVE》すら一瞬揺れた。


「うわっ!?」


 レンが驚く。


 《EYES》が警告。


『都市通信網干渉』


 《NOISE》は眠そうな顔のまま言う。


「炎上祭」


「今年は誰か死ぬ」


 空気が冷える。


 だが。


 彼女はすぐ言い直した。


「……違う」


「誰かが“壊される”」


 レンは気づく。


 この子。


 ただの危険人物じゃない。


 何かを知ってる。


 その時。


 空中スクリーンへ、

 新しい映像が割り込んだ。


《Riot Wire 緊急配信》


 《JOKER》が笑っている。


『祭りの前に一つ告知だ』


 観客が静まる。


『今年の炎上祭は特別ルール』


 ネオンが赤く点滅する。


『参加者同士の感情同期制限解除』


 レンの顔が変わる。


「……は?」


 藍華が舌打ちした。


「最悪」


 《NOISE》が小さく呟く。


「始まった……」

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