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『NEO横浜電脳租界 〜違法感情AIと美少女配信者〜』  作者: 神代零


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第五十七話 「Riot Wire」

「俺の街で暴れすぎだろ」


 白いロングコートの男が笑う。


 池袋北環状区。


 ネオン。


 煙。


 砕けたスクリーン。


 その中心で。


 男だけが妙に静かだった。


 だが。


 周囲の空気は完全に変わっている。


《Riot Wire》

《本物来た》

《池袋王だ》


 コメント欄の流れすら違う。


 レンは眉をひそめる。


「……そんなヤバいのか?」


 藍華が珍しく真面目な顔で頷いた。


「池袋最大手炎上配信チーム」


「《Riot Wire》」


「チーム?」


「配信ギャングみたいなもの」


 嫌すぎる。


 その時。


 男の背中の接続端子が赤く点灯した。


 ブゥン――


 周囲の違法ドローン群が一斉展開。


 数が異常。


 空が埋まる。


「うわっ……」


 レンが引く。


 《EYES》が解析する。


『周辺感情接続数:推定320万人』


「320万!?」


 藍華が小さく言った。


「池袋の炎上層を全部繋いでる」


「意味わかんねぇよ……」


 男は笑う。


「初めまして《MAY-LIN》」


「俺は《Riot Wire》リーダー」


 ネオンが赤く光る。


「《JOKER》」


 コメント欄爆発。


《JOKER!!》

《炎上王!!》

《池袋の化け物!!》


 レンは察する。


 コイツ。


 黒犬とも違う。


 《BURN-BURN》とも違う。


 もっと危ない。


 空気そのものが危険だった。


 だが。


 美玲は笑った。


「名前ダサくない?」


 沈黙。


 そして。


 観客が吹き出した。


《言ったァ!!》

《MAY-LIN強ぇ!!》


 《JOKER》も数秒止まったあと、

 声を上げて笑った。


「ハハハハ!!」


「面白ぇなアンタ!」


 だが。


 笑いながらも、

 目は笑っていなかった。


「でもさ」


 男は広場を見回す。


 燃えるネオン。


 倒れた《BURN-BURN》。


 騒ぐ観客。


「池袋ってのは」


「もっと“壊れてる”街なんだよ」


 その瞬間。


 周囲の違法スクリーンが一斉起動。


《炎上ランキング》

《本日の破壊配信》

《自殺系チャレンジ》


 レンの顔が曇る。


「……なんだこれ」


「数字のためなら何でもする街」


 藍華が吐き捨てる。


 《JOKER》は笑う。


「感情ってのはさ」


「綺麗なもんだけじゃ伸びねぇ」


 その時。


 彼の背後にいた配信者が、

 突然ビル屋上から飛び降りた。


 観客悲鳴。


「なっ!?」


 だが。


 空中でワイヤー接続。


 ギリギリ停止。


 コメント欄爆発。


《うおおお!!》

《神!!》

《同接伸びた!!》


 レンはゾッとした。


「……狂ってる」


 《JOKER》は笑う。


「これが池袋だ」


 そして。


 真っ直ぐ美玲を見る。


「アンタの“綺麗な感情配信”で」


「この街、救えると思う?」

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