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『NEO横浜電脳租界 〜違法感情AIと美少女配信者〜』  作者: 神代零


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第五十八話 「危険誘発系配信者」

「アンタの“綺麗な感情配信”で」


「この街、救えると思う?」


 《JOKER》の言葉で、

 池袋駅前の空気が少し冷えた。


 燃えるスクリーン。


 違法ドローン。


 炎上コメント。


 この街には、

 NEO横浜とは違う“壊れ方”がある。


 レンは周囲を見る。


 誰もが。


 刺激を求めていた。


 過激。


 炎上。


 危険。


 誰かが壊れる瞬間。


 それを、

 “数字”へ変えている。


 《EYES》が静かに表示する。


『危険誘発型感情市場』


「……最悪だな」


 藍華が小さく頷く。


「池袋のトップ層はね」


「危険そのものを配信する」


 レンは顔をしかめた。


「それで人集まるのかよ」


「集まる」


 《JOKER》が笑う。


「人間ってさ」


「安全なだけじゃ飽きるんだよ」


 その瞬間。


 周囲のスクリーンへ、

 過去配信が映し出される。


《超高層ビル綱渡り》

《リアル暴走区域潜入》

《感情暴走群ライブ》


 コメント欄は、

 全部熱狂していた。


《神》

《伝説》

《またやれ》


 レンは寒気を覚える。


 これは。


 感情暴走を“コンテンツ”化した世界だ。


 その時。


 《EYES》が通知を出した。


『MAY-LIN 登録者数更新』


「また?」


 嫌な予感しかしない。


 レンは表示を見る。


『登録者数:3億2000万人』


「はぁぁぁ!?」


 思わず絶叫。


 観客爆笑。


《また増えた!!》

《世界女王》

《人類の4割見てるだろこれ》


「増加ペース終わってる!!」


 藍華が笑い転げる。


「池袋配信界隈全部流入してる!」


「なんでだよ!?」


「今一番面白い配信だから」


 レンは頭を抱えた。


 もう意味が分からない。


 だが。


 美玲は普通だった。


「3億かぁ」


「感想軽いな!?」


「配信部屋増やさないと」


「完全に富豪発言なんだよ!!」


 その時。


 《JOKER》がニヤッと笑った。


「……面白ぇ」


 彼は美玲を見る。


「アンタ、本当に数字に飲まれてないんだな」


 普通なら。


 3億登録。


 4億超同接。


 それだけで壊れる。


 だが。


 美玲は変わらない。


 むしろ。


 楽しそうだった。


 その瞬間。


 池袋上空の違法ドローン群が、

 一斉に赤く点灯する。


 《JOKER》が両手を広げた。


「歓迎するぜ」


 ネオンが狂ったように光る。


「《MAY-LIN》」


「ここが」


「危険誘発系配信者の街」


 池袋北環状区だ。」

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