表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『NEO横浜電脳租界 〜違法感情AIと美少女配信者〜』  作者: 神代零


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/317

第四十話 「ネオン棍術」

 ネオン雨。


 火花。


 歓声。


 中央立体広場は、

 完全に熱狂の渦だった。


《うおおおお!!》

《武器戦だ!!》

《MAY-LIN!!》


 美玲は配信用ロッドを回転させる。


 ブゥン――


 金属音。


 流れるような円運動。


 ただの即席武器なのに、

 彼女が持つと妙に映える。


「なんでそんな様になるんだよ……」


 レンが呆然と呟く。


 藍華が笑った。


「中国武術ってね」


「本来、日用品でも戦うんだよ」


「怖ぇ文化!」


 その瞬間。


 《黒犬》が動いた。


 高速踏み込み。


 高周波ナイフ連撃。


 一直線。


 殺意。


 だが。


 美玲は滑るように回避。


 八卦掌。


 円歩。


 そして。


 ロッドで相手の手首を払う。


 ガギィッ!!


 ナイフ軌道が逸れる。


 そのまま。


 詠春拳。


 短棍連打。


「白鶴棍」


 バババッ!!


 超近距離ラッシュ。


 《黒犬》が初めて防戦へ回る。


《うおお!?》

《近距離エグい!!》

《何この動き!?》


 コメント欄爆速。


 《EYES》が解析する。


『詠春拳短器械応用』


「武器ありでも近ぇ……!」


 レンは息を呑む。


 普通の武器戦じゃない。


 美玲の動きは、

 “魅せる”前提で完成されている。


 カメラ映え。


 視線誘導。


 ネオン反射。


 全部計算済みだった。


 その時。


 配信ドローン群が、

 自動でスロー演出を入れる。


《MAY-LIN LIVE》

 視点切替。


 超接近戦。


 雨粒スロー。


 観客絶叫。


「編集うま!?」


「リアルタイム演算だよ」


 藍華が笑う。


「今の配信者は映像監督も兼ねてる」


 未来怖すぎる。


 その瞬間。


 《黒犬》が強引に踏み込む。


 体当たり。


 軍用制圧術。


 だが。


 美玲は逆に前へ出た。


「――八極」


 踏み込み。


 震脚。


 ロッドを短槍みたいに突き出す。


「雷轟靠」


 ドォンッ!!


 衝撃。


 《黒犬》が数メートル吹き飛ぶ。


 観客大歓声。


《うおおおおお!!》

《ヤバすぎ!!》

《MAY-LIN最強!!》


 レンは立ち上がる。


「入った!!」


 だが。


 《黒犬》は倒れない。


 地面を滑りながら停止。


 そして。


 ゆっくり顔を上げた。


 その時。


 《EYES》が反応する。


『感情波形上昇』


「……え?」


 《黒犬》の口元が、

 ほんの少しだけ動いた。


 笑っていた。


『……楽しい』


 観客が静まり返る。


 レンは息を呑む。


 感情を消された男。


 その男が今。


 初めて、

 戦いを楽しんでいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ