第百九十六話 「心臓部突入」
澳門中央幸福塔。
地下深層接続路。
赤い警告灯が、
無機質な通路を照らしていた。
《MOTHER CORE》
都市最深部。
AI宗教都市・澳門の心臓。
⸻
レン達は、
地下接続路を走っていた。
レン。
EYES。
九条ハヤト。
雨玲。
岳人。
そして。
林美玲。
⸻
レンが振り返る。
「美玲、お前は――」
だが。
美玲は即座に言った。
「レンが行くなら私も行く」
迷いがなかった。
黒髪。
鋭い視線。
上海でも。
香港でも。
ずっとレンの隣で戦ってきた女。
⸻
レンは少し止まる。
そして苦笑した。
「……止めても行くだろ」
美玲も小さく笑う。
「当然」
コメント欄爆発。
《ヒロイン強い》
《夫婦感》
《共に行く》
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その時。
地下通路全域へ、
警告音が響いた。
《警告》
⸻
《MOTHER防衛群接近》
赤い光。
通路奥。
大量の機械影が現れる。
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《幸福維持執行体》
人型防衛機。
黄金装甲。
感情同期ユニット搭載。
完全武装。
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ハヤトが舌打ちする。
「来たぞ!!」
その瞬間。
防衛群が一斉突撃。
ゴォォッ!!
⸻
だが。
次の瞬間だった。
ドガァァァァン!!
一体の防衛機が、
壁へ叩き込まれる。
レンが目を見開く。
「!?」
⸻
美玲だった。
超高速踏み込み。
接近。
回転。
そして。
超近接格闘。
⸻
バギィィッ!!
肘打ち。
防衛機頭部破砕。
続けて。
ドォォン!!
蹴り。
装甲が吹き飛ぶ。
⸻
コメント欄崩壊。
《きたぁぁ!!》
《美玲無双》
《近接テッキー》
⸻
だが。
美玲は止まらない。
防衛群中央へ、
一人で飛び込む。
「邪魔ぁぁ!!」
⸻
ドガガガガッ!!
超近距離連撃。
拳。
膝。
回転蹴り。
黄金装甲が、
次々吹き飛ぶ。
⸻
レンが引く。
「強ぇぇぇ!!」
雨玲も呆れている。
『毎回思うけど人間やめてる』
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一体の防衛機が、
美玲へ高出力刃を振り下ろす。
だが。
ギュンッ!!
紙一重回避。
そのまま。
ズドォォォン!!
掌底。
コア直撃。
防衛機爆散。
⸻
地下通路へ、
火花と破片が散る。
美玲は息を吐きながら言った。
「レン!」
「先行って!!」
レンが止まる。
「でも――」
美玲が振り向く。
「EYES待たせる気!?」
数秒沈黙。
その後。
レンは頷いた。
「……頼む!」
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《EYES》が静かに表示する。
《林美玲戦闘能力》
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「極めて高い」
「今さら分析すんな!!」
コメント欄爆発。
《EYES冷静》
《ヒロイン最強》
《超近接格闘》
⸻
レンとEYESは、
さらに地下深層へ走る。
その先。
赤い光の中心。
《MOTHER CORE》
が待っている。
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一方。
地下接続路では。
林美玲が。
無数の黄金防衛機群相手に。
一人で立っていた。
ネオン火花。
赤警告灯。
そして。
美玲は小さく笑う。
「さて」
「通行止めだよ」
次の瞬間。
ドォォォォン!!
超近接格闘戦が、
再び炸裂した。




