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『NEO横浜電脳租界 〜違法感情AIと美少女配信者〜』  作者: 神代零


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第百五十七話 「上海中央市場データセンター」

 上海地下診療街。


 赤い非常灯。


 Emotion Crash患者たちの呻き。


 そして。


 中央ホログラムへ映し出される、

 巨大構造体。


《上海中央感情市場データセンター》


 東アジア最大級。


 感情市場の心臓部。


 Emotion Crash異常同期源。


 AI消失事件中心地。


 そこへ。


 朝霧レンと《EYES》は、

 潜航しようとしていた。


 空気が重い。


 岳人が低く言う。


「中心部はもう半分戦場だ」


「暴走群集だけじゃない」


「同期汚染された自動防衛AIも動いてる」


 レンが引く。


「なんだよそれ……」


 雨玲が端末を展開する。


『中央市場までの地下経路を出す』


『地上は無理』


 ホログラム地図。


 地下物流路。


 廃棄メンテナンス通路。


 そして。


 中央にそびえる巨大タワー。


 まるで。


 都市そのものの脳だった。


 その時。


 美玲が静かに前へ出た。


「……黒犬と一緒に」


 全員が見る。


 美玲はレンを見る。


「レンを


データセンターの心臓部まで警護する」


 空気が止まる。


 レンが少し目を見開く。


「美玲……」


 その隣で。


 黒犬も黙って頷いた。


「任せろ」


 短い。


 だが。


 それだけで十分だった。


 コメント欄爆発。


《護衛回》

《黒犬きた》

《MAY-LIN強襲》


 その時。


 雨玲が小さく息を吐く。


『……本当に行くのか』


『中央市場は戻れない奴も多い』


 レンは苦笑する。


「今さらだろ」


 《EYES》が静かに表示。


《上海中央市場データセンター》


危険度:


「致命的」


「毎回言い方やめろ!」


 だが。


 EYESは続けた。


《しかし》


「朝霧レン生存率」



「単独時より上昇」


 レンが止まる。


 《EYES》は、

 美玲と黒犬を見る。


《理由》


「仲間がいます」


 沈黙。


 その言葉に。


 診療所の空気が少し変わる。


 雨玲が静かにEYESを見る。


 上海で。


 AIは人を切り捨てる存在だった。


 でもこのAIは違う。


 “仲間”という概念を、

 本気で理解し始めている。


 その時。


 遠くで爆発音。


ドォォン――!!


 上海のネオン空が赤く染まる。


 Emotion Crash。


 同期暴走。


 都市崩壊。


 その中心へ。


 レンたちは向かおうとしていた。


 美玲が電磁警棒を装備する。


 黒犬は違法ゴム弾小銃を確認。


 雨玲は地下回線を開く。


 岳人は医療キットを投げ渡した。


「死ぬなよ」


 レンは受け取る。


 そして。


 《EYES》が静かに表示した。


《潜航作戦開始》



目的地:


《上海中央感情市場データセンター》



第一目標:


《心臓部到達》


 ネオン雨の上海で。


 クルーたちはついに。


 都市の“脳”へ向かい始めた。

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