第5話 学生の夢
柳林「どうも。刑事の柳林と申します」
本間「本間と申します」
館長「館長の長内 弘成です
まだこちらに勤めて半年位でして、なかなか館内のこともまだ全部は把握出来ておらず..力になれることは協力致します」
人の良さそうな腰の低い館長だ
本間「えっとぉ、、5/5岩谷叶実さんが亡くなる前日です。長内さんと岩屋叶実さん、2人が一緒に出かけて行ったという目撃者がいるんですが、岩谷叶実さんとはお付き合いしていたとか、、何か関係があったのでしょうか?その時はどちらに出かけられたんでしょうか」
館長「あーぁ、 あの日は、、たしか、、
岩谷さんがここでバイトしたいと電話をもらって...」
本間「被害者4人が亡くなっているのは土曜日で、あなたの勤務シフトが土曜は全て休日なんです。毎週土曜は何をされてましたか。」
館長「家で、読書をしたり、近所に買い物に行ったり、なにげない休日をいつも通り過ごしていましたよ。」
本間「失礼ですが.. それを証言してもらえる人物はいますか?ご家族とか友人とか」
館長「ここの所、疲れ気味で、人と会うのが億劫で。一人で過ごしていましたから、、家族もいるんですが、私は休日は別宅で過ごしていて、1人の時間を大事にしたくて、、」
本間「ふむ、、では、証言できる人は1人もいないということになりますね。」
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叶実は大河原の公開レッスンを受けて、とても楽しく充実していて、もっと教えてもらいたいと思った。しかしレッスンは毎週ある訳でもなく、次の予定もない。
叶実(どうしよう。なんかいい考えないかな)
叶実は、自宅のリビングルームに敷いてある白い円形型のふわふわのラグマットにゴロゴロしながら、考えていた。
ローテーブルにカフェオレが入ったマグカップと
美術館のカフェで売ってたクッキーの詰め合わせが置いてあり、1人で気ままにダラダラとお茶していた。
このクッキー美味しいなぁ。
そうだ!
館長さんに頼んで、資格は持ってないから今のところ学芸員は無理だけど、、、卒業までには、学芸員になりたいな。この際カフェでも受付でもなんでもいいからバイトで雇って貰えないか頼んでみよう。当たって砕けろで、言うだけ言ってみよう。
もし入れたら、また大河原先生に会える可能性もある。いつも大河原先生の絵を見ることもできるし、なにかコネクションを見つけて、絵が上手になる方法を得る近道になる気がする。)
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館長「こんにちは。私が館長の長内です。はい、内容は聞きましたよ。今ちょうど受付が足りてなくて、ぜひお願いしたいです。」
叶実(ラッキー。嬉しい)
「あ、ありがとうございます。よろしくお願いします」
美術館のすぐ近くに昔 大河原先生が使っていたアトリエがあるんですよ。行ってみますか?
いい、いいんですか?! はい、行ってみたいです!
長内と叶実は、社用車を使い 近くのアトリエまで行った。と言っても30分以上はかかった。
そうまでして、長内は叶実にアトリエを見せてくれたのは、面接の時、叶実の話を聞いて、長内は彼女の美術に対する熱意を感じとったからかもしない。
ガラーンとだだっ広いその空間には、何個か絵が置いてあった。
昔描いた先生の絵かな?
興味津々で叶実は、絵に近づいてみた。
あれ?
なんか筆の動きや線の感じも、先生のタッチなんだけど色合いが全く違う、、先生の絵はいつも 鮮やかだったり、爽やかな色合いが多いが、ここにある絵はとても暗い。本当に先生が描いたのかしら、、。
でもシャガールもゴッホもゴーギャンも、辛い時代は 絵が暗く、楽しかった時代に描いた絵は、明るいから、それと同じなのかもしれない。先生もこの頃は、苦悩を感じていたのかもしれないわ。
「嬉しいです、感激... 連れてきてもらえて。」
「いいえ、わたしは、この位のことしかできませんから。未来の画家さんに。」
長内が暖かい表情でそういうと、
「では戻りましょう。」
叶実「はい、館長。」
叶実もまた 清々しい気持ちで、アトリエを後にした。大河原先生の心の中を触れられたような 貴重な体験をさせてもらえたと、自分が勇気を持ってアルバイトの申し込みをしてみて、本当に良かったと思った。
つづく




