第二話 4人の護衛とギルド
アリーシャは、前の世界では16歳で青みがかった髪で身長は160くらいです。
私はその後馬車に戻り、護衛の4人と話した。
まずはリーダーのアウレイヒ。
彼はローレイヒの兄で、アルプ○の山の上で大きなブランコに乗って育った。
というのは兄ということ以外冗談で、生まれも育ちもこのロウダイル大陸という荒野で、ここら辺では有名な冒険者だそうだ。
ほんとに兄貴って感じだ、ガタイも良くてタンクって感じで頼れる。
そして弟のヨーロレイッヒーーことローレイヒだ。
アウレイヒトは対照的に細身。
礼儀正しく、冷静で、副リーダのような位置で兄を支え、とても良いバランスだ。
短剣の腕が良いらしく、私の剣筋を見てからというもの、コツや練習法を聞いてくる。
でも良い距離感を保ってくれるのでそんなに嫌じゃない。
この2人はほかの2人よりも歳をとっている、30代くらい?かな。
トリウスとキーシャは私と同じ年齢くらいだろう。
リア充の気配を感じる。
ずっと施設育ちで妄想だけが募っている私にこの2人は眩しすぎる。
トリウスは短剣と縦を持っている、鎧もさっきの2人よりも軽めで、縦で受け流してカウンターをしたり、フットワーク軽く戦闘する感じだろう。
話をしていると正義感が強く成功体験もあり、明るい性格の青年だ。
ちょっとなよなよしてるけど、いざとなったら頼りになりそうだ。
キーシャちゃん、いい男を捕まえたね。
キーシャは紅一点の女性で、同性の私に好意的で、治療の後にもよく話しかけてくる。
基本的な役割はヒーラーと後ろからの援護。
普段は弓を使うらしい。
しっかりした子で、ほんわかしたムードメーカーに見えるが、トリウスのなよなよした所をビシッと指摘したりと以外にも軸のあるしっかりした子だ。
さっきも、何も出来なかったことを気にしているトリウスに、[いつまでうじうじしてるの! 自分なりに考えて入れ替えなさいよ!!]と怒っていた。
上手く話せるかな、無愛想で嫌われたりしないかなときにしていたが、2時間ほど馬車で話しているだけですぐに打ち解けることが出来た。
なんだか久しい感覚だ。
元の世界では、施設でも学校とかでも、人の温かみとか感じる機会少なかったし考え事とかでなんだか縛られてたからな。
そう、しみじみと改めて人と関わる楽しさを実感していると、
街が見えてきた。
[お客さん達、もうそろそろロウダイル大陸1の都市! 荒地のオアシス、サムダイルに着くよ〜!]
荒地の魔物からの攻撃を守るための強固な壁。
水神を守りし時神により荒地の中でも特に安全とされる。
その内にあるものは荒地の中で、水神に愛され栄え続けるオアシスの都。
そこに立ちよれば水神の加護、そして時神のもとに癒しの一時を味わえるだろう。
〜とある詩人の一節〜
アウレイヒが、ここには冒険者ギルドがあるから、そこで登録を済ませればロウドレイクの皮の換金を貰えると言っていた。
都の中に着くと、アウレイヒたちとは宿の手配をしてくると言っていうので一旦別れた。夕方頃に酒場で落ち合おうとの事だ。
1人で、冒険者ギルドまで行こうという所で少し寂しくなった。
唐突に今の状況や先が不安になってしまった。
これまでは動揺と興奮で紛れていたが一人で異世界に来てしまい知り合いは4人だけ、いくら私が進化した人間でこの世界でもある程度通用するのだとしても孤独感は消えない。
しかも私は年齢的にはまだ学生で女だ。
この世界にも、若い女だからと下に見て、性欲のはけ口にしようとするものもいるのだろう。
[ふー、、、、、]
でもしょうが無い。
来てしまったんだから。
私には、私にしかない力も、これまでの経験もある。
やるしかないのだ。
こんなウダウダしていたら、きっとキーシャにしかられてしまう。
そう自分の背中を自分で押して、私はギルドへ向かった。
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めちゃくちゃ挙動不審になりながらも歩いて、何とかギルドに着いた。
この進化した体も、まだしっかり使いこなせてない気がする。
ずっと気を張って動いているのも疲れるのだ、戦闘も時は気を貼ればほとんど傷をおうことがないのだが、甘いものが食べたくなる。
今度またそこらへんの練習をしよう。
施設では基本的なことしかやっていなかったから、もっと理解して自分なりに応用していけばもっとやりやすいはずだ。
それにしても、ごつい男や怖そうな女の人が酒を飲んでる。
普通っぽい人もいるな。
[、、、!]
[クスクスクスクス]
足を引っ掛けられそうになった。
何人かで酒を飲んでいる。
多分パーティーだろう。
若い男が私の方を見てニタニタと笑っている。
ほかのメンバーもクスクスと笑っている。
[嬢ちゃん、どうしたんだい?ここは子供が来るような場所じゃありまちぇんよ?]
男は、酒臭い息を吐きながら、ニタニタと笑みを浮かべながら嫌味を言ってくる。
こういう奴は何を言っても仕方ないだろう。
[あなたには関係ありません。しかし、、そんな子供に足をかけようとして避けられて恥ずかしくないんですか?]
[あぁ?!]
しまった、つい怒ってしまった。
普通ならこんなのには当たり障りないことを言って関わらないのに、疲れていて、煽り返してしまった。
[ヒック、足を避けたくれぇでぇ、調子乗ってんじゃねぇぞガキィ! お? でもツラは結構いいじゃねぇか。ヒック、大人の世界ってのを見せてやろうか?]
[はい?]
男は少し呂律が回らない口調で、ヒートアップした。
そして大人の世界とか言って来た
私の嫌いなタイプだ。
やっぱりどこの世界にもいるんだな、こういう奴は。
大人の世界を見せてやろうか?だと?そんなに大人の世界はすごいものなのか、少なくともこんな奴が語れる世界なんてたかが知れている。
この程度なら私でも圧倒できるな、、反撃してやろうかこの酒カス。
そう思った時
[、、、、!! おいやめとけ、酔いすぎだ。これ以上怒らせるな。身なりは小さいが、この圧、実力は本物だ。お嬢さん、うちのツレがすまない、ちょっと悪酔いしてるんだ。]
少し離れたところから素早くボロボロの服の男が現れて、酒カスを引き止めた。
[あぁ? このガキのどこがっっ]
男が何か言おうとすると諌めた男が口を押えて、私に行けと手でサインをした。
そんなに私、圧出てたかな。
でも、ここで暴れるのは確かに良い判断とは言えない。
慣れない場だからこそ慎重に行こう。
でも、あの男は何かの時に仕返ししてやる。絶対。フフフフ。
[あの、ギルド登録をしたいんですけど]
酒を飲んでる人達のいる机を抜け、奥に進むと窓口に冒険者の受付をしている人がいるので話しかけた。
優しそうな女の人だ....わ、しかも胸も大きめだ。
やっぱり受付は顔採用なのか? そうなのか?
[登録ですね、まずは名前と年齢を書いてください、そのあとは丁度あと数分ほどで簡単な試験がありますので向こうの扉から移動してください。]
おお、割と簡単に行くんだ。
確かに冒険者なんて入れ替わりが激しいし山ほどいるだろうしな、これくらいの方がいいのかな。
さて、文字か、まだ完璧に理解はできていないが書いてみよう。
集中集中、、、
[はい、承りました。]
名前 アリーシャ
年齢 16
種族 人族
[基本的な情報の打ち込みは終わりました、成果が一定の基準に達したらより詳しく行いますね、では、試験会場へ。]
名前は仮名だが普通に通った、で人族のとことはわたし書いてないんだけど。
この板なんか特殊っぽいし魔法でわかったのかな。
あ、魔法。
私魔法使えないけど、試験大丈夫かな。
[あのー、私魔法苦手なんですけど]
[大丈夫ですよ。試験会場へ]
なんか圧がすごい。
若干答えも的外れだし。
もしかしてさっきの酒カスとのちょっとした騒ぎでブラックリスト入りとかじゃないよな....
[失礼します]
そっと扉を開けると部屋の真ん中にソファが向き合うように置いてある、そして真ん中には、お菓子だ、お菓子が置かれた机がある。
左側のソファには、細身の男性がいる、これまで見た男たちとは違いちゃんとした服で紳士感のある感じだ。
ツンツンとした短髪にバランスの良い筋肉、顔からは少し強そうな風格もある。
どうだろう、40歳後半くらいかな、でも前の世界の40代よりもとても若々しさを感じる。
今からあの人と話すんだろう、お菓子はあまり食べれないかもしれない。
[君が新しくギルド登録をしたいアシェリーさんだね? 私の名前はガウス。この、クロダイル大陸本部のギルドを任されている。]
[あっ、どうも。私はアシェリーよ。よろしくお願いします]
こういう偉そうな人と話すのは緊張する、敬語とタメが混ざってしまった。
[あ、えっと]
[どうぞ、そちらのソファにすわってくれ。紅茶もあるぞ、そんな気を張らなくても大丈夫だ。ちょっと話をするだけさ]
[え? なにかテストとかをするんでは無いんですか?]
[あ、そうだね。試験って言ったんだった、でもまぁお話がありますって言う訳でもないし、面接的な感じで試験の方が合ってると思っただけだよ。]
[はぁ、、、なるほど]
[では、紅茶だ。この紅茶もお菓子もこの荒野じゃなかなか食べれないんだぞ?ほら、君も食べて食べて。私だけ食べたら後で職員に怒られてしまう。]
そこからはお互いもぐもぐとお菓子を食べながら時折、この街の説明やとある詩人が歌ったというこの街の紹介などを話してくるので、あいずちをしながら、私も4人のパーティーの人と来たことやロウドレイクに話をした。
最初はちょっと緊張していだけど、だんだん向こうの私への対応が子供好きなおっちゃんみたいになってきたので私も少し自然体で話せるようになった。
[はははは、やっぱり私の思った通りだ、まだ16という若さ、しかも女でロウドレイクの群れと戦って足に傷のみだとは、将来が楽しみだな。]
[いえ、、、ちょっと体が人より頑丈なだけですよ]
若さや、偶然の成果でこういう風に褒められても、素直に喜べない。
評価に違わないように頑張らなければいけない、失敗してはいけない、と無駄に気を張ってしまったり、調子に乗って後で恥をかいたり、そんな経験が前の世界であるからだ。
自分でも、相手に褒められたそれをしっかりと認められるくらいにならないと私はこういうことを素直に受け取れないだろう。
[実は私も前は冒険者みたいなことをしていてね、これでも結構名を挙げていたんだ。
今回君を呼んだのも、冒険で培った感覚みたいなもので、その年齢と性別にしてはなんだか異質な雰囲気を感じたからなんだ。
今後なにかトラブルを起こすにしてもこのギルド出身の大物になるとしても、こうして話をしたいと思ったんだ。]
なるほどな、刑事の感とかあったしな。
でも私はそんな器じゃないと思う。
でも向けられた好意を無下にはしまい、いい感じのお付き合いをしていくためにここはちゃんと感謝しよう。
[なるほど。あまり冒険者の世界に詳しくないのでガウスさんのお名前は知りませんでしたが、そんなふうに思われて、嬉しいです。
もしかして....酒場の男と少しいざこざがあったの見られてましたか?]
[はは、ああ見たよ。丁度ギルドに帰ってきた時でな。酒場に1人で、しかも青い髪だもんで目に入ってな。
16歳くらいのやつはまだ小さいが、ギルドに来て活動をする以上、小さいからとか女だからとかいう理由で絡んで来るやつはたくさんいる。
だから大事にならないようなことだったら俺も干渉しない。
まぁ、もっとも、君にそんな心配は要らなかったようだが。
まさか、足を避けてしかも中、上級冒険者なみの威圧もするんだからな。]
ガウスは若い世代を見て最近だなぁと感慨深く感じるおっちゃんのような顔をして言った
やっぱり少し目立っていたか。
施設じゃあまり鏡をみなかったけど、やっぱりこの青い髪も魔族もいるこの世界でも少し目立つようだ。
しかしあの程度でそんな威圧を感じさせていたのか、ちからは使っていないし、魔力が関係しているのだろうか。
[つい....疲れていたもので。しかし私も騒ぎはあまり起こしたくないのでいご気をつけるつもりです。]
[おお、その歳でこれはご丁寧に。しかし、冒険者の世界は危険もつきものですし、酒場の男も酒で紛らわしたりしてるんです。多少の発散は別に、ね?あ、いや暴力を推奨するわけではないのですが、ははは]
[そうですね。あの男にはいつかちょっとした仕返しくらいはしてやりたいですね。でもまずは冒険者の世界というものをもっと経験したいですね。]
仕返ししたいとかは言うつもりはなかったんだけどな。
すぐに気を許していらないことも話しちゃうのは悪い癖だ、ギルド管理者にすごいと言われて少し調子に乗ってしまった。
しかし、ガウスはいい人だな。
お菓子もくれたし、とても美味しかった。
もしこのままギルドに入って、成長したらまた挨拶に来よう。
[ああ、もうそろそろ本登録を済ませようかね。ではこの板に一滴の血と魔力を。]
ガウスはそう言ってポケットから先程名前を書いたあと受付の人が持っていた板を取り出した。
でも参った。
まだ魔力の使い方がよく分からない。
私は携帯やパソコン、武器、などは体の外付け器官というような感じで常人よりも素早く使いこなせるのだが、イマイチ魔力は感知できない。
[えーっと、魔力の制御がまだよく分からなくて]
[....? そうか。たまに居るんだ、魔力の制御が上手くない方は。
まぁでも今からでも少しづつ慣れれば大丈夫だ。
まず無意識にでもそれだけの身体能力があるのだからね。
今回は私が補助をしよう]
ガウスは少し驚いた顔をしたがすぎに元に戻り、私の腕に手を添えた。
凄い。
これが魔力。
新しい感覚と力が、私の体に、脳に入っていく気がする。
[これで完了だ。君の成長を願っているよ。]
[今日はありがとうございました]
ガウスは最初のような対応に戻り、握手をして、にこやかな顔で送り出してくれた。
ガウスおじさん....いい人だった。
美味しいものでも持ってまた来よう。
部屋から出る頃にはもう夕方になっていた。
夕方にもなると冒険者たちが任務から帰ってきて、酒場にも人が溢れていた。
素材の受付もやっているようで、受付でそこら辺の手続きをする人も多く、職員もバタバタとギルド内を動き回っていた。
酒場でまた絡まれないようにできるだけそろりと抜けて行った。
私は人の意識、人の集まり方、体に入ってくる様々な情報を分析し、体の動きを緻密に制御することでステルス能力を高めることが出来る。
そうして私はギルドを出て、アウレイヒたちの待つ酒場へと向かった。
次回はアウレイヒたちとご飯を食べ、宿に行って夜を明かし、異世界生活2日目からはギルドに行ったりまちを探索したり、アリーシャは本格的に異世界生活を始めていきます。
本編との繋がりのある謎の男の描写も....?




