第四十五話
アリシアの話を聞いた俺とウリルは、アリシアとともにアルミダ星へと向かった。
道中で話を聞くと、民の一部がアリシアに操られたと言っており、その時のことも鮮明に覚えていたことから、アリシアに対して怒り暴走してしまったそうだ。
「なるほどなぁ。」
「はい。それでその暴動を力で止めるとなりますと、逆に反感を買いかねませんが、早く治めないと他の民たちが混乱してしまいます。」
「まあそうよねぇ。それで、どうやって暴動を治めるつもりなの?」
「まずは誠心誠意謝罪しようと思います。それで、わたくしの知る限りの事情をお話しして納得していただければと思っているのですが……」
「無理、でしょうね。」
「はい、おそらく。」
アリシアの考えをウリルが否定するが、アリシア自身も同じ考えらしくそれに同意していた。
「それで、俺はどうしておけばいいんだ?アリシア達の護衛でもしとけば良いのかな?」
「はい、雄一様にはもしもの時にわたくしたちの身を守っていただければと思っております。」
「わかった。じゃあその時は任せてもらうよ。」
俺はそう言うと、アリシア達についていきウルミダ城の中にあるゲートからアルミダ城へと転移した。
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「アリシアを出せよ!!いるんだろ!?俺たちを騙しやがって!!」
「なぁにが王女よ!!あんなのただ男に色目を使ってるだけじゃない!!早く死んでしまいなさいよ!!」
「お、落ち着け!落ち着くんだ!!これ以上暴れるようなら拘束することになるぞ!!それはアリシア様の望まぬことだ!!お前たちも捕まりたくはないだろう!?」
「んなもん知ったことかよ!!早くアリシアを出しやがれ!!クソが!!!」
俺たちがアルミダ城に転移した直後から、そんな怒鳴り合うような声が聞こえてきた。
「これは……だいぶ酷いなぁ。」
「ええ…流石に皆暴れすぎてるわね。」
「はい……何がどうしてこうなってしまったのかわからないのです。」
アリシア自身も本当にわからないようで、非常に混乱しているようだった。
俺がアリシアの心の中を見てみても同じような反応をしていた。
何か他の原因があるのかもしれないが、実際に見てみないことにはわからないと思い3人でその暴徒と化した民の所へと向かうことにした。
「おい!出てきたぞ!!」
「このクソ女!いい加減にしとけよ!!王女だからって調子乗ってんじゃねぇぞ!!」
「何てことしてくれたんだよ!?あんたのせいであたいの旦那が死んじまったんだからね!!」
「何のうのうと生きてやがんだ、このクソ王女!!!死ね!!死にさらせ!!!」
「お前たち、いい加減にしないか!!衛兵、この暴徒どもを取り押さえるぞ!!」
「「「はっ!」」」
アリシアが城から姿を見せた所で、先程から暴言を吐いていた人たちが更に暴れ出したため、アルミダ兵が拘束してこれ以上暴走しないようにした。
それでも、その暴徒たちはアリシアに対してひたすらに暴言を吐き続けていた。
「あんたのせいで旦那が死んじまったんだ!!責任取ってあんたも死んじまえよ!!」
「俺たちがこの星の民だからってこき使いやがって!俺たちはお前の奴隷じゃねぇんだぞ!!」
「どうやってかは知んねぇけど、おいらを操りやがって!大切な親友にまで手をかけさせやがって!!ふざけんじゃねーよ!!!」
俺は、この暴徒たちの尋常じゃない怒りを見て唖然とした。
(なんだ!?なんでこんなに怒ってんだ!?あんなに愛されてたじゃないか。そのアリシアがここまで言われるようなことをしたのか!?)
「皆さん、聞いてください!!わたくしはそのような非道なことは致しておりません!!確かに戦争は引き起こしてしまいました。その件につきましては非常に悔やんでおります!!申し訳ありませんでした!!!……ですが、わたくしはこの星の民である皆さんのことを大切に思っておりますし、ましてや奴隷扱いなど一度たりとも致しておりません!!!それに皆さんのことを操るようなことも致しておりません!!!どうか信じてください!!!」
俺が困惑していると、隣にいたアリシアがこれまで聞いたこともないような大きな声で暴徒たちに話しかけていた。
これまでのアリシアを知る人からしたら、それだけでも驚きで一刻でも言葉を失うだろう。ウリルでさえも目を見開いてアリシアへ視線を向けているのだから。
これで少しでもこちらの話を聞いてくれるかもと期待したがそうもいかないようだ。
「うるせぇ!!黙って死んどけ、このクソ女!!」
「そうよそうよ!!死んで詫びなさいよ!!」
「おいらたちをコケにしたんだ!!死ぬことで償いやがれ!!」
どうやら、この人たちはこちらの話をまともに聞いてくれなさそうな状態のようだった。




